山岳救助の現場を描いた映画「岳−ガク−」(片山修監督)に主演した小栗旬さん(28)と長澤まさみさん(23)が27日、山開きした上高地(長野県松本市)を訪れ、約1年前に撮影のために登った奥穂高岳などを仰ぎ見ながら思い出話に花を咲かせ、登山を楽しんだ。
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小栗さんが撮影で実際に標高3190メートル(日本第3位)の山頂に立った奥穂高岳や長澤さんが登山客を救助しに行くシーンなどを撮影した西穂高岳をのぞむ上高地は、年間200万人以上が訪れるアルプスで最も人気のあるスポット。国内登山人口1230万人ともいわれる「山ブーム」のさなか、アルプスの玄関口である上高地には、朝早くから山開きを待ちわびた多くの人々が集まった。2人は、午前7時に登山道をゆっくりと歩き出した。前の晩遅くまで降り続いた雨もやみ、足場も悪くない登山日和で、登山客から「おかえり!」と声を掛けられていた。
小栗さんは「久々に戻ってきたなという感じ。近くで見ると、やっぱり山は力強いと感じます。“山が大好きな人”の役をやっていたので、山にいる間はずっと楽しかったんですよね。奥穂高岳の山頂に登ったときも、夢中で登っていたのでつらさは感じなかった。何日かを山荘で過ごしながらアタックできるタイミングを狙っていたので、山頂に行けるとなったときは『今撮らなきゃ!』という気持ちが強かった。あとでヘリの空撮の映像を見たら、すごい景色だなと改めて思いました」と撮影時を振り返った。
「まさみちゃんも、今年は山登りするって言ってたよね?」と小栗さんから突然振られた長澤さんは「もちろん目指すはエベレストですよ! 無酸素登頂で! って、いきなりは無理ですけど……(笑い)。山に来ると撮影を思い出します。『岳』では山でいろいろな経験ができました。今思い出したけど、冬山の撮影はすごくまぶしかったな。今日は梓川を流れる雪どけ水が透き通っていてすごくきれい!」と目を輝かせた。小栗さんは「目標まで行かなくても、天候が悪かったり体調が優れない場合は、迷わず下山すること。そして、服は多めに持っていった方がいいと思います」と役柄のようにアドバイスしていた。
原作は石塚真一さんが03年から「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載中のマンガ「岳 みんなの山」。山を愛し、その恐ろしさも知る島崎三歩(小栗さん)は、山岳救助ボランティアとして登山者の命を守っていた。一方、長野県北部警察署山岳遭難救助隊に新人として配属された椎名久美(長澤さん)は、三歩たちの指導で過酷な訓練をこなしていたが、実際の救助現場で遭難者を救えず、自信をなくしていった。そんな時、猛吹雪の中で多重遭難が発生、仲間とともに救助に向かう久美だったが、そこには想像を絶する雪山の脅威が待ち受けていた……というストーリー。小栗さん、長澤さんのほか、佐々木蔵之介さん、石田卓也さん、やべきょうすけさんらが出演している。映画は5月7日に全国東宝系で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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