池内博之:初の海外作品に挑戦!DVD「イップ・マン 序章」発売

「イップ・マン 序章」で日本軍将校の三浦を演じた池内博之さん
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「イップ・マン 序章」で日本軍将校の三浦を演じた池内博之さん

 ブルース・リーの師匠で伝説のカンフー・マスター、イップ・マン(葉問)の生涯を描いた「イップ・マン 序章」とその続編「イップ・マン 葉問」(ともにウィルソン・イップ監督)。俳優の池内博之さんが出演した「序章」は09年に中国で公開されるやいなや大ヒットを記録し、09年香港アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した話題作だ。日本でもDVD(日活・ハピネット)が2日に発売された。本作でイップ・マン(ドニー・イェンさん)と互角の死闘を繰り広げる日本軍将校・三浦を演じた池内さんに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 映画は伝統武術の詠春拳の達人でブルース・リーの師匠、イップ・マン(葉問)の生涯を描く。1930年代の中国広東省佛山(ぶつざん)。武術館の師範との戦いに勝ったイップ・マンは、町一番の武術家として知られるようになる。しかし栄華は長く続かなかった。日中戦争が発生し、1年もたたぬうちに佛山は日本軍の占領下となる。日本兵たちに武術を教えることを拒否したイップ・マンは誇りをかけ何度も戦うことになり、空手の名手である三浦と生死をかけた対決をする……というストーリー。

 −−オファーがきたときの感想を教えてください。

 初めての海外の作品でオファーをいただいたのはうれしかった。アクションは、有名なドニー・イェンさんと子供のころから知っているサモ・ハン・キンポーさんと仕事ができるというのはすごく楽しみだったので、すごく良かったしうれしかったですね。

 −−空手の達人の役でしたが?

 大変でした。本格的なアクションをやるのは初めてだったので、ましてイップ・マンの敵(かたき)役っていう立ち位置で説得力がないとおかしいので、映画がクランクインしてから1カ月間は僕はまだ出番がなかったのでずっとアクションの練習とかやってましたね。

 −−初の海外作品ということで、苦労したことはありましたか?

 アクションは大変だったんですが、それ以外は日本と(映画の)作り方が一緒だったので、そんなに抵抗はなかったですね。しいて言うなら台本はある程度の流れはできているんですが、シーンの細かいやりとりというのは微妙に変わってくるのでそういう変更が前日に上がってきたり、とか。そのくらいですかね。

 −−ドニー・イェンさんとは現場でどんなやりとりがありましたか?

 世間話というか、もちろん緊張ムードの中でやっているんですけれど、日本の俳優業やシステムについてとか……(話していました)。

 −−香港の俳優と仕事をしてどうでしたか?

 ものすごい人たちが俳優として存在するんだな、と思いました。間近で(仕事ぶりを)見てすごく刺激があったし、俳優としての道は日本だけではなくて国を超えていろいろなところにあるなと感じて、視野が広がったなと思ったし、もっといろいろな人と出会いたい、かかわっていきたいと思いました。

 −−日本軍将校・三浦は、単に「中国を侵略する日本軍側」という“悪役”としてだけでは捉えきれない魅力をもった人物として描かれています。三浦を演じるにあたって精神面での役作りというのは?

 もちろん(三浦という人物を)軽くはしたくなかったので、ずっしりとさせたいイメージは三浦にはなくてはならないものだったと思うし、そういう部分では三浦という人間は好きでした。武術に対して純粋なところがブレなければ(三浦という人物は)成立すると思ったので、(有名人や歴史上の人物のような)具体的な人物をイメージするということはなかったです。

 −−DVDで発売されるということで何度も見られますし、気になったシーンをもう1回見返したりすることができますが、ぜひ見返してほしいシーンというと?

 ドニーさん(イップ・マン)が10人以上を相手に1人で戦うシーンがすごいので、そこをぜひ。

 −−三浦とイップ・マンの対決のシーンは?

 もちろんそこも(笑い)クライマックスなので。イップ・マンっていう方の、どうしてここまでカリスマ性があるのか、“すごさ”を感じられると思うのでそこはぜひ見てほしいというのと、もちろんアクションシーンも見応えがある作品なのでぜひ見てもらいたいですね。

 *DVD「イップ・マン 序章」、「イップ・マン 葉問」は2日発売。各3990円。「イップ・マン 序章&葉問」ブルーレイツインパックは9240円。

 <プロフィル>

 いけうち・ひろゆき。1976年11月24日、茨城県生まれ。モデルとして活躍後、96年から俳優として活動を始め、06年「13の月」では初監督に挑戦。09年には上演時間9時間の超大作舞台「コースト・オブ・ユートピア」(演出 蜷川幸雄)に出演し、確かな演技力で観客を魅了した。10年は「SPACE BATTLESHIP ヤマト」、「桜田門外の変」、「ばかもの」など話題作に続けて出演。特技は柔道、殺陣、乗馬。趣味は釣り。初めてハマったポップカルチャーは「キン肉マン」。“キン消し”(キン肉マン消しゴム)を集めていたというエピソードを明かしてくれた。

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