MD松尾の月間ヒット予測:7月 厳しい月に 「パワプロ」「ポケモン」「BASARA」に期待

 「ヒット解析」でおなじみ、TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さんが、その経験と綿密な調査で、月間ランキングを大胆に予測する月1回の企画「MD松尾の月間ヒット予測」です。

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 10年7月は、「イナズマイレブン3 スパーク・ボンバー」(DS、レベルファイブ)がヒット。PS3の「戦国BASARA3」(カプコン)、「白騎士物語 −光と闇の覚醒−」(SCE)、「2010 実況パワフルプロ野球」(KONAMI)、Wiiの「Wii Party」(任天堂)、「ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー」(スクウェア・エニックス)など、据え置き機のソフトも好調でした。

 一方今年の7月はちょっと厳しいか。前年比でもかなりのダウンを強いられそうですが、前年が例年並みでしたので、今年が飛びぬけて厳しすぎるということだと思います。PSPや3DSといった携帯機向けのタイトルが目立ち、据え置き機向けのタイトルに比べて単価が安くなってしまうのも店舗としては苦しいところです。

 そんな中の新作では人気野球ゲームの最新作「実況パワフルプロ野球2011」(PS3、KONAMI)に期待。プロ野球開幕時にリアルなグラフィックの「プロ野球スピリッツ」は発売されていますが、やはり熱心なファンの多い「パワプロ」の今年1本目という点に加えて、日本ハムの斎藤佑樹投手、巨人の沢村拓一投手ら魅力的な新人選手の加入でプロ野球が盛り上がっているのも大きいですね。

 女性にも人気のアクションゲームの最新作「戦国BASARA クロニクルヒーローズ」(PSP、カプコン)も注目。TSUTAYAでは、先着オリジナル特典として伊達政宗など人気キャラクターをあしらった軍配形のうちわを用意しており、予約数も期待できそう。同じくTSUTAYAオリジナル特典が付くZ指定(18歳以上対象)タイトルのアクションアドベンチャー「L.A.ノワール」(PS3、ロックスター・ゲームス)もよさそう。自由度も高く、グラフィックをはじめさまざまな点のクオリティーもきわめて高い作品です。ただ、Z指定でなければもっと売れると思うのですが……。

 この夏を占ううえではずせないのが「スーパーポケモンスクランブル」(3DS、ポケモン)。ポケモンの新作劇場版アニメも公開されるこのタイミングでの投入とあって、映画を見たファミリー層が3DS本体ごと購入するというケースが期待できそう。月末発売のため集計期間が実質4日足らずということで、7月のランキングにはそこまで反映されませんが、夏休み中ずっと安定した売り上げが見込めるでしょうね。

 ◇11年7月のヒット予測

1位 実況パワフルプロ野球2011(PS3)

2位 戦国BASARA クロニクルヒーローズ(PSP)

3位 L.A.ノワール(PS3)

4位 イナズマイレブン ストライカーズ(Wii)

5位 みんなのリズム天国(Wii)

6位 実況パワフルプロ野球2011(PSP)

7位 スーパーポケモンスクランブル(3DS)

8位 スターフォックス64 3D(3DS)

9位 デビルサバイバー2(DS)

10位 太鼓の達人ぽ~たぶるDX(PSP)

 ◇参考資料 10年7月売り上げ結果(TSUTAYA調べ)

1位 イナズマイレブン3 スパーク(DS)

2位 戦国BASARA3(PS3)

3位 白騎士物語 −光と闇の覚醒−(PS3)

4位 イナズマイレブン3 ボンバー(DS)

5位 Wii Party(Wii)

6位 2010 実況パワフルプロ野球(PS3)

7位 ファイアーエムブレム 新・紋章の謎~光と影の英雄~(DS)

8位 ドラゴンクエスト モンスターバトルロードビクトリー(Wii)

9位 ラストランカー(PSP)

10位 初音ミク −Project DIVA−2nd(PSP)

 ◇プロフィル 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約450店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩いてきた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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