柳楽優弥:雪山の本格サスペンス BeeTVドラマ「ブリザード」主演 過酷な撮影を語る

BeeTVドラマ「ブリザード」で主演を務めた柳楽優弥さん
1 / 1
BeeTVドラマ「ブリザード」で主演を務めた柳楽優弥さん

 俳優の柳楽優弥さんと女優の夏帆さんがダブル主演した本格サスペンスドラマ「ブリザード」が、1日から携帯電話放送局BeeTVで配信されている。10年1月に豊田エリーさんと結婚した柳楽さんは同年10月に娘が生まれ、今作が父親になってから初の主演作。猛吹雪の雪山で走り回る撮影には苦労したようだが「その代わり雪が映像を美しくしている」と自信作に仕上がったようだ。柳楽さんに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

あなたにオススメ

 ドラマは、大学の山岳サークルに所属する男女9人が、猛吹雪(ブリザード)により極寒の雪山で遭難してしまい、仲間の1人が死んでしまうが、事故死と思われていた仲間のロープはナイフで切られ、明らかに刺された傷があった。外部との連絡が遮断されている場所に犯人が潜んでいるのではないかと、お互いに疑惑が広がっていく……という物語。ホラーは苦手だという柳楽さんは、同ドラマの出演に「ホラーと違ってサスペンスへの苦手意識はないので、喜ばないわけない。『よっしゃー! 頑張ろう』って思ったんですが、台本を読んだら『あれ、1人死んだ。あれ、僕はどうなるんだろう……』って、思わず読んじゃいました」と台本を読んだ時の衝撃を語った。

 撮影は、日本で過酷な山の一つに挙げられる谷川岳や、豪雪地帯として知られる新潟県魚沼市の極寒の冬山で行われた。一番大変だったという雪山での撮影について、柳楽さんは「撮影初日に、夏帆の『ブリザードになりそうですね』って印象的なせりふがあるんだけれど『今ブリザードだよな』って思った」と苦笑しながら振り返り、「雪山では歩くのはもちろん、走るのが大変だった。雪が多くてうまく走れないのに監督からは『もっとスピード上げて』とか言われるんです」と苦労を明かしたが、「その代わり雪が映像を美しくしている。すごいです」と完成作への自信をにじませた。

 一方、過酷な撮影の中で楽しかったのは共演者との雑談だったという。柳楽さんは「みんな同世代なのですごく話が合う。控室で待っている最中に、みんなで気の抜けた話ができてすごく良かった」と思い出を語った。共演はダブル主演の夏帆さんのほか、細田よしひこさん、井上正大さん、「AAA」の真司郎さん、志保さん、袴田吉彦さん、冨浦智嗣さん、関めぐみさん、五十嵐隼士さんら若手実力派が脇を固めている。夏帆さんについて柳楽さんは「すごくすてきだと思います。男は男で女子は女子で固まりがちだったからあまり話せなかったけれど(笑い)。関さんとか細田さんは(共演が)2回目なんで(自然と演技で)からんでくれる。五十嵐さんとは撮影終わってからも飲みに行きました」と明かした。

 柳楽さんは父親になってから初の主演作で、「(娘が)最近はパパって呼んでくれる」とうれしそうに明かし、「今まで父の日とかも気にしたことなかったけれど、これからは気にしよう。手作り系(のプレゼント)とかもらったらいいっすね」と娘の順調な成長ぶりに目を細めた。

 仕上がったドラマについて、柳楽さんは「サスペンスだから、普通の状況ではなかなかないすごい緊迫感と危機感がある。威張っていることで自分を隠しているかもしれないし、一人一人の心理表現が面白い。雪山の映像はもちろん、そういう役者の演技も感じてもらえれば」と見どころを語り、「スタッフはみんな気合が入っていました。僕が一番気合を入れてましたけど(笑い)。闘争心を燃やして頑張って作ったので、夏のホラーやサスペンス好きの方に、期待を裏切らない作品だと思います」とアピールした。ドラマは3話まで無料配信。1、2話を1日から、3話を2日から配信し、以降毎週土曜日に1話ずつ更新。各話約10分で全12話。

 <プロフィル>

 1990年3月26日生まれ、東京都出身。映画「誰も知らない」(是枝裕和監督)で主役に抜てきされ、公開された04年、第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、当時14歳の史上最年少で最優秀主演男優賞を受賞した。同年8月に「文化関係者文部科学大臣表彰」を授与、同年10月の「TIME」誌アジア版では「2004 Asia's Heroes」に選出された。代表作は映画「星になった少年」(05年)、「包帯クラブ」(07年)、連続ドラマでは「TOKYO23~サバイバルシティ」(WOWOW)で初主演を務め、「ブリザード」は主演2作目の連続ドラマとなる。

芸能 最新記事