ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、警察に“復讐(ふくしゅう)”を誓った2人の男と警察組織との対決を描く神崎裕也さんの刑事マンガ「ウロボロス 警察ヲ裁クハ我ニアリ」です。「月刊コミック@バンチ」(新潮社)編集部の榎谷純一さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
15年前、この世で一番大切な存在だった結子先生を殺された龍崎イクオと段野竜哉。当時小学生だった2人は逃げていく犯人の後ろ姿を目撃するものの、金時計を付けた謎の刑事(通称・金時計の男)に脅され証言を黙殺されます。事件は迷宮入り。そして大人になった2人は、事件を隠ぺいした警察組織に“復讐”をするため、イクオは警察官になり竜哉は“ヤクザ”の道へ進むことに……。表と裏の両面から共闘して“捜査”を進め“警察の闇”、そして「金時計の男」の正体に迫る2人の運命は−−−!?
ハラハラドキドキの異色・刑事マンガです。魅力は何といっても、この設定とストーリーでしょう。これを聞いて「読んでみたい!」と思わない男性読者はいないと断言します!(笑い)
−−作品が生まれたきっかけは?
「隠蔽捜査」「警官の血」など警察ブームを作った小説が盛り上がっていたころ、こんな感じの警察マンガができないだろうかと日々、警察小説を読みあさっていました。そんな時に神崎先生が持ち込みで何本かネームを持って編集部に来たんです。初めてお会いしました。その中に偶然にも刑事物の読み切りネームがありました。それはまだ勧善懲悪もののシンプルな物語だったんですが。
打ち合わせの帰りに「隠蔽捜査」など読んでいた警察小説をたくさんお渡ししました。そしたら数週間後、神崎先生が修正してきたネームが見事に面白くなって帰ってきました。現在の「ウロボロス」1話目のネームがほぼ完成していたんです! なんて吸収力と成長力のあるマンガ家さんなんだろう……と興奮したことを覚えています。そこからとんとん拍子で企画が進みすぐに新連載へ。
−−編集者として作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変だったエピソードを教えてください。
うれしかったことは、「週刊コミックバンチ」で連載していたころ、原哲夫先生の「蒼天の拳」、北条司先生の「エンジェル・ハート」という創刊以来の不動の人気作品を抜いて人気アンケート1位をとったことです! 新人の作品としては快挙でした。また「月刊@バンチ」を新創刊する際に、神崎先生が「ウロボロス」の移籍連載を快諾していただいたことで新創刊まで無事こぎつけることができたといっても過言ではありません。大感謝です。
大変なことは、神崎先生は「ヤングジャンプ」デビューなんです。その時の長い過酷な修業時代があってこそ今があるのですが、その時のトラウマのせいで「人気があります!」「売れてます!」と褒めてもまったく信用しないところです(笑い)。いまだに「自分のコミックは本当に書店で売られているのだろうか……」とまさかの心配までしています。でもそんな謙虚な神崎先生が好きです。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
普段はさえない刑事だが裏では狂気を帯びて犯人を追いつめる男・龍崎イクオ、なんでも完璧にこなし若くして極道の世界で出世し続ける男・段野竜哉、この主役2人の成長にご期待ください。2人の秘密が次々と明らかにされていきます! マンガが好きな方はもちろん、刑事ドラマ・刑事小説が好きな人にも読んでほしいです。先日最新9巻が発売されたばかりですが、早くも8月9日に10巻が出ます。よろしくお願いします!
新潮社 月刊コミック@バンチ編集部 榎谷純一
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