長澤まさみ:求められたのは素の“無愛想”な声 初ジブリ作「コクリコ坂」収録で

「コクリコ坂から」の完成披露会見に出席した長澤まさみさん(右)と宮崎吾朗監督
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「コクリコ坂から」の完成披露会見に出席した長澤まさみさん(右)と宮崎吾朗監督

 女優の長澤まさみさんが4日、横浜市中区のホテルニューグランドで開かれたスタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」完成披露会見に登場。自身初のジブリ作品で、ヒロイン・海を演じた長澤さんは「声質を決めるまで半日かかった。(試行錯誤の末)普通に話してみたらイメージにぴったりだったみたいで。2日間の収録で求められたのは(素のままの)“無愛想”な声だった」と語った。

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 会見に同席した鈴木プロデューサーは「最初の1シーンでしゃべってもらったとき明らかにミスキャストだったと思った。どうしようかなと思って『普通にしゃべったらどうなるの?』と長澤さんに聞いたら彼女が切り返してきて『暗くなりますよ』と言われて。やってもらったら(監督の宮崎)吾朗君の顔に赤みが指して『これだ!』となりました」と収録時の“秘話”を明かした。17歳の少年・俊を演じた岡田准一さんは「海ちゃんが無愛想なので俊くんは不器用にやってくれって言われて。後半になると『高倉健さんみたいに(不器用に)』と言われて混乱しましたね」と会場の爆笑を誘った。

 「コクリコ坂から」は佐山哲郎さん原作、高橋千鶴さん画の少女マンガで、80年に「なかよし」(講談社)で連載された。コミックスは一時絶版になったが、スタジオジブリの企画・編集で今年7月に角川書店から新装版が発売されている。主人公の海は、おさげ髪の平凡な高校生。船乗りの父は事故で行方不明、写真家の母は撮影で海外を飛び回っており、祖母の花と妹の空、弟の陸の世話をしながら留守宅を守っていた。学校では新聞部の風間俊と生徒会長の水沼史郎が起こす騒動に巻き込まれ、家族を巻き込んでドタバタな毎日を送る、ギャグあり、ラブストーリーありの青春物語。マンガ自体の時代背景は60~70年代とみられ、タイトルの「コクリコ」とはフランス語で「ひなげし」のこと。

 映画では、東京五輪目前の1963年の横浜を舞台に女子高生の初恋物語が描かれる。吾朗監督がメガホンをとるのは、「ゲド戦記」以来5年ぶりで、主題歌は同作品と同じ手嶌葵さん。 

 会見には長澤さん、岡田さん、鈴木プロデューサーのほか宮崎監督も出席した。映画は7月16日全国公開。(毎日新聞デジタル)

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