ゲーム質問状：「テイルズ オブ ジ アビス」　オリジナルの持ち味に　3DSの快適さをプラス

　ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は、人気RPGの3DS版「テイルズ オブ ジ アビス」（3DS）です。バンダイナムコゲームスの奥田孝明さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

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−−ゲームの特徴と、セールスポイントは？

　本作は「テイルズ オブ」シリーズ10周年を記念して作られた同名作品の3DS移植作です。本シリーズはアクション性の高い戦闘と、濃密な人間ドラマが展開するストーリーが特徴で、要所要所に臨場感を高めるアニメ動画を用いたRPGの先駆的なシリーズでもあります。本作はそんなシリーズの中でも特にご好評いただいた作品を、お手軽かつ快適に携帯機でプレーできるようにしたものです。

−−開発のコンセプトは？

　移植作ですので、とにかくオリジナル版の持ち味を壊さないことを肝に銘じていました。その上で3DSならではの快適さの実現を目指したつもりです。初めてのハードであることに加え、スケジュールもタイトだったため、一時期、いろいろな仕様を削る話もあったのですが、スタッフ皆で一丸となって頑張り、どうにか死守することができました。

−−今だから笑って明かせるけれど、開発当時は大変だったエピソードをお願いします。

　いわゆる「ゼロからの生みの苦しみ」というものはなかったんですが、その代わり、移植ならではの苦労はありました。

　特に大変だったのは画面の縦横比が変わったことです。例えば作業や処理の負荷を低減するために、背景は画面外の部分を作らなかったりするんですが、画面が横に広がったことで、本来見えないはずのところが見えるようになってしまい、作り足さなければなりませんでした。他にも画面外に走り去るはずのキャラクターが、まだ見えているうちに立ち止まってしまうのが見えてしまったり……カメラを動かしてしまえば手っ取り早いのですが、そうするとオリジナル版の演出を壊すことになるため、極力それは避けました。プログラム的には正常なので、一つ一つ目で確かめなければならず、それこそ皆で確認し、調整を行いました。

−−ファンへ一言お願いします。

長年、大勢のユーザーの皆様に支えていただいてきたお陰で「テイルズ オブ」シリーズはここまでやってこられました。本当にありがたく思います。これからもスタッフ一同、心血注いで頑張ってまいりますので、ご期待ください！

バンダイナムコゲームス　コンテンツデザイン部　チーフ　奥田孝明