魔術はささやく:宮部みゆきのサスペンス木村佳乃主演でSPドラマ化

ドラマ「魔術はささやく」の一場面。木村佳乃さん(右)と中村蒼さん=フジテレビ提供
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ドラマ「魔術はささやく」の一場面。木村佳乃さん(右)と中村蒼さん=フジテレビ提供

 作家・宮部みゆきさんのサスペンス小説「魔術はささやく」が女優の木村佳乃さん(35)主演でドラマ化されることがわかった。フジテレビ系の「金曜プレステージ」枠で9月に放送が予定されている。過去に“大罪”を犯したヒロイン和子を演じる木村さんは「内容はサスペンスですが、家族愛を描いた作品でもありますので、見てほっとしていただけると思います」とコメントしている。

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 「魔術はささやく」は、89年に出版され、同年の「日本推理サスペンス大賞」を受賞し、宮部さんの初期の傑作ともいわれている。物語は過去に和子とともにある“大罪”を犯した仲間3人が次々と死ぬところから始まる。そのうち一つの事件は和子の弟・守やその里親も巻き込んでいた。15年前、父の失踪をきっかけに和子と守は離ればなれになり、守は和子の存在を知らない。弟に「自分が姉だ」と名乗り出せない和子。一方、事態は進み、第4、第5の犠牲者が出てしまう。和子の犯した“大罪”とは何か、犠牲者を生み出す“魔術師”の正体は? 和子は弟を守ることができるのか……というストーリー。出版当時、同作で使われたトリックは未知の領域でまさに“魔術”のように受け入れられたが、現在では学術ジャンルとして確立されている。

 守役を俳優の中村蒼さん(20)が演じるほか、小池栄子さん(30)、原田美枝子さん(52)、奥田瑛二さん(61)らが出演する。

 宮部さんの作品のファンだという木村さんは「本当にうれしく思っています」と喜びを語り、「宮部さんの作品は非常に人気もあり、読者の方々、それぞれにイメージをお持ちですので、演じる上でハードルが高かったですが、私なりに思い切って演じました」と撮影を振り返っている。中村さんは今回演じた役柄を「幼いころからつらい環境の中で育ってきたので、すごく力強くて人のことを心から思いやることができる純粋な人間」と説明。「そんな部分が出せたらいいなと思い演じました。僕たちなりの『魔術はささやく』を作りました。ぜひ見てください」と話している。

 また編成企画を担当した同局編成部の太田大さんはドラマを「じわじわと主人公に迫ってくる連続殺人の恐怖と、叫びたくなるような驚きの結末の裏で、切なくも温かい姉弟のきずなが感動的に描かれている作品」と紹介。「家族の大切さがこれまで以上に叫ばれている今、多くの方に共感していただける作品だと思った」と企画意図を語っている。

 ドラマは、「金曜プレステージ特別企画 宮部みゆきスペシャル『魔術はささやく』」と題して9月に放送される。(毎日新聞デジタル)

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