堺雅人:浅田次郎、監督とともに故人へ思いはせる 「日輪の遺産」終戦記念日にプレミア

「日輪の遺産」ジャパンプレミアに登場した堺雅人さん
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「日輪の遺産」ジャパンプレミアに登場した堺雅人さん

 ベストセラー作家、浅田次郎さんの小説を堺雅人さん(37)主演で映画化した「日輪の遺産」(佐々部清監督)のジャパンプレミアが終戦記念日の15日、「ワーナー・マイカル・シネマズ 新百合ヶ丘」(川崎市麻生区)で行われ、堺さんと森迫永依さん(13)、佐々部監督、原作者の浅田さんがレッドカーペットに登場した。堺さんはこの日が終戦記念日ということに触れて「浅田先生の言葉なんですが『決して人ごとではない自分と地続きのものとして歴史をとらえなければならない』という浅田先生の言葉がずっと引っかかっています」と話し、「今回の(東日本)大震災で亡くなられた1人1人にもストーリーがあって、(故人に対して)思いをはせることが1番いい行動なのではと今は思っております」と話した。

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 「日輪の遺産」は、浅田さんが93年に発表した小説。太平洋戦争中、帝国陸軍がマッカーサーから奪取した財宝200兆円をめぐって軍の密命を守り抜いた将校と20人の少女たちの祖国復興を願った壮絶なドラマ。堺さんは陸軍参謀・真柴少佐を演じ、真柴と共に任務を遂行する小泉中尉を福士誠治さん、望月曹長を中村獅童さんが演じている。また、教師役はユースケ・サンタマリアさん、少女を森迫永依さん、少女の現在を八千草薫さんが演じている。

 佐々部監督は「一昨日実はこの映画を持って石巻市の被災地へ行って無料上映してきました」と明かし、「今、この被災地を僕たちは応援して、頑張らなくてはいけないと感じました。この映画に着手して公開まで5年かかりましたが、今、この映画を送り出すことに意義を感じています」と話した。また、原作者の浅田さんも「戦争を知らない人間が戦争のことを書くのは大変僭越(せんえつ)な話なんですが、戦争を書いて次の世代に小説という形で送り届けていくのは必要なこと」とそれぞれの思いを語った。

 作品中に登場する武蔵小玉市は、会場にほど近い東京都稲城市がモデル。また、作中に登場する工場のモデルとなった旧日本軍多摩火薬製造所(現・多摩サービス補助施設)も近くにあるということで作品にゆかりのある新百合ヶ丘でのプレミアとなった。映画は27日から全国公開。(毎日新聞デジタル)

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