桑田佳祐:宮城の被災者支援ライブで1万6000人を魅了 本格ライブは1年半ぶり

「宮城ライブ~明日へのマーチ!!~」で熱唱する桑田佳祐さん
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「宮城ライブ~明日へのマーチ!!~」で熱唱する桑田佳祐さん

 東日本大震災から半年の節目となる10・11日、歌手の桑田佳祐さん(55)が「セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)」(宮城県利府町)で被災者支援ライブ「宮城ライブ~明日へのマーチ!!~」を開催した。桑田さんの本格的なライブは10年3月13日に「音楽寅さん」のDVD発売を記念して日本武道館(東京都千代田区)で行われたイベント以来、1年半ぶり。最新シングル「明日へのマーチ/Let’s try again~kuwata keisuke ver.~/ハダカDE音頭~祭りだ!!Naked~」や最新アルバム「MUSICMAN」の収録曲を中心に、サザンオールスターズの曲も織り交ぜながら全27曲を熱唱し、2日間で1万6000人を魅了した。

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 桑田さんは、震災の犠牲者を悼み、またいまだに困難な状況が続いている被災者を応援しようという気持ちとともに、東北地方をはじめ日本全体の活性化に向けて新たな一歩を明るく踏み出そう、という思いをこのライブに込めた。さらに、今回は桑田さんが昨年の病気療養から復帰してから初のライブ公演で、療養中、東北地方を含めて全国の人々から寄せられた温かい声援を支えに無事に復活することができたことから、今回はその恩返しの意味合いも含まれている。

 特別なライブ1曲目は宮城のご当地ソングで、78年にさとう宗幸さんが歌ってヒットした「青葉城恋唄」でスタート。その後、バンドメンバーや観客も含めて会場全員で黙祷(もくとう)をささげた後、前方のスクリーンに桑田さんやスタッフからの開会宣言ともとれるメッセージが映し出された。本編のライブでは「大阪レディ・ブルース」を「宮城レディ・ブルース」にした替え歌が披露されたり、東北民謡「大漁唄い込み」が曲間に織り交ぜられるなど、宮城を意識した選曲、演出がそこここで登場した。また「明日晴れるかな」では、東北各地から集まった演奏家でこの日のために結成した「宮城ライブスペシャルフィルハーモニー交響楽団」が登場するなど随所で「宮城」にまつわる演出が施された。

 本編のラストでは、このライブにぴったりの「Let’s try again~kuwata keisuke ver.~」が演奏されたが、「ニッポンの元気な未来へみんなで立ち上がれ」という歌詞の部分では、会場全体が一つになって大きな盛り上がりを見せた。

 会場周辺は今回のライブに合わせて一面がちょうちんで飾られ、出店が並ぶ「虹の広場」となり、まるで縁日のような雰囲気でお客さんを迎えた。1000個ものちょうちんは、桑田さんを普段から支えている全国の関係者からチャリティーとして寄贈されたもの。また宮城・福島・岩手から集まった店がご当地グルメなどの店を出した。中には、津波被害を受けた店もあったという。終演後は、ちょうちんに明かりがともり、打ち上げ花火が上がって8000人の観客を酔わせた。

 公演2日目の11日は、ワーナー・マイカル・シネマズ 名取エアリ、ワーナー・マイカル・シネマズ 福島、ワーナー・マイカル・シネマズ 北上の宮城・福島・岩手の三県の映画館でパブリックビューイングを実施。東北在住の方を対象に、抽選で選ばれた合計1600人が映画館でライブの生中継を楽しんだ。

 2日間の公演を収録した特番「桑田佳祐スペシャル『宮城ライブ~明日へのマーチ!!~』」がWOWOWで10月1日午後9~11時に2時間にわたって放送される。「WOWOW大開局祭」(10月1~2日)内での放送で、WOWOWに加入していなくても視聴できるノンスクランブル放送となる。さらに、10月9日午後11時~深夜2時には「桑田佳祐スペシャル総集編『宮城ライブ~明日へのマーチ!!~』」と題し、10月1日に放送し切れなかった部分も含む3時間の総集編を放送(こちらは加入者の方のみ)。

 この「宮城ライブ」と8月17日に発売されたトリプルA面シングル「明日へのマーチ/Let’s try again~kuwata keisuke ver.~/ハダカDE音頭~祭りだ!!Naked~」から得られる収益の一部は、東日本大震災からの復興支援活動等の資金として寄付される。(毎日新聞デジタル)

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