ゲーム質問状：「ウイニングイレブン2012」　サッカーの本質を反映　1対1の駆け引き楽しんで

　ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は、「ウイイレ」の愛称で親しまれる人気サッカーゲームのシリーズ最新作「ワールドサッカーウイニングイレブン2012」（PS3・PSP・PS2）です。 コナミデジタルエンタテインメントの高塚新吾クリエイティブプロデューサーに作品の魅力を聞きました。

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　−−ゲームの特徴と、セールスポイントは？

　今作はサッカーにおける「駆け引き」が楽しめると思います。例えば1対1の場面。昔から「ウイイレ」をやっているユーザーは、ディフェンスの際には相手に突っ込んでボールを取るという操作が体に染み付いていると思うんですよ。でも、今作ではそういった操作では相手のボールは奪えません。去年まではコンピューターには絶対負けないという人でも、今回はボコボコに負けたりすることもあるんです（笑い）。

　リアルなサッカーを見ていれば分かるとおり、フェイントは体勢を崩させる、足を出させるという要素がすごく重要ですよね。今作では、そういった動きを積極的に取り入れました。それはサッカーの本質的な部分をゲームに落とし込んだということでもあるんです。急加速で敵を抜き去る新操作「バースト」と、簡単操作で間合いを計る「ディレイディフェンス」を駆使し、1対1の駆け引きを楽しんでください。

　−−今作の開発のコンセプトは？

　「ウイイレ2012」を制作するにあたって、新たな操作を入れたいという希望がありました。私たち制作する側としては、毎回ユーザーの皆さんにとってサプライズとなるような要素を入れたいと思っているんですよ。

　今回は「アクティブAI」が搭載されたことで、プレーヤーが操作をしなくてもチームメートが状況に応じて動いてくれるのですが、それはある意味、セオリーどおりの動きに限定される部分があります。ですので、セオリーどおりに動きたくない……、または相手の裏を突きたいという時に「チームメイト・ムービング」を発動することで、（選手を任意に動かし）より思いどおりの展開に持ち込むことができるという効果があります。こういった経緯で、新たな操作「チームメイト・ムービング」を搭載しました。

　−−コンピューターの攻撃がプレーヤーの守備の背後を取ろうとしたり、過去のシリーズより賢くなっているのは気のせいでしょうか？

　気のせいではありません。今作では「アクティブAI（コンピューターの人工知能）」を強化しました。これにより、ゴール前で斜めに切り込む「ダイアゴナルラン」や、ボールが来る前に選手がチャンスを察知して走りだす「オーバーラップ」など、コンピューターが自ら“考えてスペースに走る”動きを搭載しているんです。味方の動きはもちろん、敵のコンピューターも賢くなっているので、腕に自信がある人でも今作は一筋縄ではいかないハズです。ぜひ挑戦してみてください！

　−−ファンへ一言お願いします。

　私たちは毎回「これだ！」と思うものを精いっぱい作っていますが、それでもやはり「良い出来」「悪い出来」の作品があることは事実だと思います。ただ、今作にかんしては、制作している私たちが驚くほど素晴らしい作品が完成したと自信を持っています。皆さんもぜひ、この感動を体感してください。

　コナミデジタルエンタテインメント　ウイニングイレブンプロダクション　クリエイティブプロデューサー　高塚新吾