「告白」や「雷桜」(ともに10年)など幅広い役柄をこなし引く手あまたの岡田将生さんと、雑誌モデルからスタートし、いまやテレビや映画で活躍中の榮倉奈々さんのさわやかなダブル主演で送る秋の話題作「アントキノイノチ」(瀬々敬久監督)が19日に公開される。原作はシンガー・ソングライターのさだまさしさんの小説で、遺品整理業の若者が、死を感じながら自分を見つめ直す物語。「ヘブンズ・ストーリー」の瀬々監督と「余命1ケ月の花嫁」「Life天国で君に逢えたら」のスタッフが手がけた。岡田さんと榮倉さんの芝居が“まっすぐ”で好感が持てる。
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永島杏平(岡田さん)は高校時代の出来事がきっかけで心を閉ざしていた。遺品整理業「クーバーズ」で働くことになった初日、先輩社員・佐相(原田泰造さん)、久保田ゆき(榮倉さん)と現場に向かう。死後何日もたつ遺体のあった部屋には虫がわき、散らかっていたが、杏平はまったくおじ気づかなかった。ゆきに遺品の仕分けのやり方を教わっていた杏平はゆきの手首にリストカットの痕があることに気づく。同世代の2人は、少しずつ心を通わせていき、ゆきは自分の過去を杏平に語るが、杏平はどう言葉をかけたらいいのか分からない。やがて、ゆきは杏平の前から姿をくらましてしまう……という展開。
人とつながれなくなってしまった若い2人が、生きることにもがいている。しかし、この映画の色彩は明るく、光は柔らかい。散らかった故人の部屋に差す光も明るい。そこにこの映画のテーマがあるように思えた。どんな状況にあっても、人を包み込む明るい光がどこかにあるはず。生きることのしんどさをこれほど強烈に見せながらも、希望を感じさせてくれる深さがある。
音楽を排除し、遺品整理業がどんなものかを提示しつつ、杏平のキャラクターもよく分かる冒頭の見せ方は非常にうまかったが、クライマックスの音楽はやりすぎの感じがしなくもない。この手の映画は、音楽のつけ方で好みが分かれるところかもしれない。主題歌は4人組音楽ユニット「GReeeeN」の「恋文~ラブレター~」。19日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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