MD松尾の月間ヒット予測:ソフトとハードで明暗くっきり

 「ヒット解析」でおなじみ、TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さんが、その経験と綿密な調査で、月間ランキングを大胆に予測する月1回の企画「MD松尾の月間ヒット予測」です。

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 1年前を振り返ると11年1月は、10年12月に続いて「モンスターハンターポータブル3rd」(PSP、カプコン)がトップを獲得。ほかにも「ドンキーコング リターンズ」(Wii、任天堂)、「二ノ国 漆黒の魔導士」(DS、レベルファイブ)など12月発売のタイトルが上位10位内に5タイトル残るなど強い新作がなく、過去5年間でも一、二を争うほどの苦戦ぶりでした。

 12年の1月は、ソフトとハードで業績が明暗を分けるでしょう。ハード部門は、新型携帯ゲーム機の「ニンテンドー3DS」と「PSVita」が新たに加わった分の売り上げが上積みされ、かなりの好調と予想しています。

 一方ソフト部門は11年以上の苦戦と予想。11年もそうでしたが、前年の12月が良過ぎて1月が落ち込むという状態に陥りそう。ビッグタイトルに乏しいのも11年と同じ状況です。

 そんな中のトップはやはり「マリオカート7」(3DS、任天堂)か。オールターゲットのヒット作として引き続き本体ともども売れてくれそう。2位は「バイオハザード リベレーションズ」(同、カプコン)でしょうか。ナンバリングタイトルに匹敵する勢いのある作品で、この冬もっとも盛り上がった3DSでの発売とあって人気を集めそう。3位は「モンスターハンター3G」(同)か。お年玉商戦の主力タイトルとして期待しています。

 注目しているのが「テイルズオブイノセンスR」(PSVita、バンダイナムコゲームス)。ファンの多い人気シリーズの作品ということもあり、本体発売日周辺に続くPSVitaが盛り上がるポイントとして、業界が注目しているタイトルです。PSVitaがブレークするきっかけになりうる作品として、注意深く見守っていきたいですね。

 ◇12年1月のヒット予測

1位 マリオカート7(3DS)

2位 バイオハザード リベレーションズ(3DS)

3位 モンスターハンター3G(3DS)

4位 ファイナルファンタジー13−2(PS3)

5位 無双OROCHI2(PS3)

6位 アーマードコアV(PS3)

7位 スーパーマリオ3Dランド(3DS)

8位 スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神1&2(PSP)

9位 機動戦士ガンダム 木馬の軌跡(PSP)

10位 テイルズオブイノセンスR(PSVita)

 ◇参考資料 11年1月売り上げ結果(TSUTAYA調べ)

1位 モンスターハンターポータブル3rd(PSP)

2位 キングダム ハーツ バースバイスリープ ファイナルミックス(PSP)

3位 ドンキーコング リターンズ(Wii)

4位 二ノ国 漆黒の魔導士(DS)

5位 THE LAST STORY(Wii)

6位 Another Century’s Episode Portable(PSP)

7位 戦場のヴァルキュリア3(PSP)

8位 喧嘩番長5(PSP)

9位 The 3rd Birthday(PSP)

10位 ガンダム無双3(PS3)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約500店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩いてきた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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