U2:メンバーが語る「アクトン・ベイビー」誕生秘話 日本未公開ドキュメンタリーがWOWOWで

映画「U2 フロム・ザ・スカイ・ダウン」の1シーン Photo:Anton Corbijn
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映画「U2 フロム・ザ・スカイ・ダウン」の1シーン Photo:Anton Corbijn

 アイルランド出身で世界的に活躍するロックバンド「U2」の日本未公開のドキュメンタリー映画「U2 フロム・ザ・スカイ・ダウン」(デービス・グッゲンハイム監督)が、28日午後9時半からWOWOWで放送される。映画は、名作「ヨシュア・トゥリー」(87年)の発売後、重圧やバンド分裂の危機を乗り越えて、「アクトン・ベイビー」(91年)を完成させるまでの裏側を追う。

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 映画は、ドキュメンタリー映画「不都合な真実」(06年)のグッゲンハイム監督がメガホンをとり、カナダ・トロントで開催された第36回トロント国際映画祭でオープニング上映された。また、「アクトン・ベイビー」は11月に発表20周年を記念してリマスター盤やリミックス盤などを加えたスペシャルパッケージが発売されている。

 同作は11年、U2が英ロックフェスティバル「グラストンベリー・フェスティバル」に出演するシーンからスタートする。バンドは、ライブで20年前に発表した「アクトン・ベイビー」収録の楽曲「ザ・フライ」を演奏することになり、レコーディング当時を回想する。80年代後半、U2は「ヨシュア・トゥリー」が2000万枚以上の売り上げを記録し、米国でのライブを成功させるなど勢いに乗っていたように見えたが、成功からのプレッシャーや音楽性に悩み、メンバーは解散を口にするようになっていた。映画では、メンバーのほか「ヨシュア・トゥリー」と「アクトン・ベイビー」のプロデューサーであるブライアン・イーノさんとダニエル・ラノワさんの話やライブ映像を紹介しながら、当時を振り返る。

 80年代後半~90年代初頭、英国では「セカンド・サマー・オブ・ラブ」と呼ばれるダンスミュージックムーブメントが席巻。米シカゴのハウスミュージックやアシッドハウスなどのダンスミュージックが流行していたのに加え、マンチェスターから「ザ・ストーン・ローゼズ」などダンサブルなビートを取り入れたロックバンドが登場し、人気を博していた。U2もリズムマシンを使ったダンサブルなビートを取り入れた楽曲制作に動き出すが、彼らが目指したのは独自のサウンドだった。

 ギターのジ・エッジさんらメンバーは当時、ドイツのインドストリアルバンド「アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン」「KMFDM」や“元祖テクノ”とも称されるバンド「クラフトワーク」、現代音楽作曲家のカールハインツ・シュトックハウゼンさんに傾倒していたこともあり、ドイツに渡り、 デビッド・ボウイさんやイギー・ポップさんらの作品を生んだハンザ・スタジオでレコーディングをスタートする。メンバーが重圧を乗り越え、名作を作り出すまでの姿が見どころだ。さらに、レコーディング中にイーノさんとラノワさんがバンドにアドバイスするなどファンにはたまらないシーンもあり、見逃せない。

 WOWOWでは28日、「U2スペシャル」と題して映画に加えライブ映像も放送する。ライブ映像は、09~10年に行われた「360°ツアー」の中から、09年10月に米カリフォルニア州のローズ・ボウルで9万7000人を動員したライブの模様を「U2 360° LIVE from Los Angeles」として午後11時から放送。さらに、09年2月に英ロンドンのBBCの屋上で行われたシークレットライブ「U2 LIVE at BBC 2009」はドキュメンタリー映画を放送する直前の午後9時から放送する。(毎日新聞デジタル)

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