アイ・アム・ナンバー4:特殊能力を持ったイケメンが主人公 マイケル・ベイ製作アクション最新作

「アイ・アム・ナンバー4」の1シーン。暗殺者と激しいバトルを繰り広げる特殊能力を持ったナンバー4(左)とナンバー6 (C) DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO.,LLC
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「アイ・アム・ナンバー4」の1シーン。暗殺者と激しいバトルを繰り広げる特殊能力を持ったナンバー4(左)とナンバー6 (C) DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO.,LLC

 映画「アルマゲドン」「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイがプロデューサーを務め、スティーブン・スピルバーグ監督率いる映画スタジオ「ドリームワークス」が製作したアクション映画「アイ・アム・ナンバー4」のブルーレイとDVDが18日(水)、発売される。両仕様のレンタルも同日にスタートし、インターネットに接続されたPCやテレビ、携帯電話などで視聴するオンデマンド配信も同日に開始する。映画は、「イーグル・アイ」(08年)を手がけたD・J・カルーソ監督の最新作で、アクションに青春ドラマをミックスした物語に仕上がっている。

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◇マイケル・ベイの直感で小説を映画化

 映画はジェームズ・フレイとジョビー・ヒューズがピカタス・ロア名義で共同執筆した小説が原作。出版前に原作小説を読んだベイが「いい映画になる」と直感し、ドリームワークスでの製作に至った。主人公のナンバー4(アレックス・ペティファー)は、故郷から暗殺者の追っ手を逃れて脱出し、地球に逃亡してきた異星人で、特殊能力を持つ“選ばれし9人”の1人だった。幼いころから世界中に散らばり、それぞれの守護者とともに逃亡を続けてきたが、ある夜、ナンバー1、ナンバー2に続き、ナンバー3が暗殺者たちによって殺された。次は自分の番だと察知したナンバー4は、守護者のヘンリー(ティモシー・オリファント)とオハイオ州の田舎町へと逃亡。長い逃亡生活で心に孤独を抱えたナンバー4は、ジョンと名乗り、普通の生活を求めて高校に通い始める。そこで出会ったのは美しい少女サラ(ダイアナ・アグロン)だった。そしてある日突然、ナンバー4の体にこれまで隠れていた特殊能力が覚醒。そのころ、暗殺者たちの魔の手がすぐ背後まで迫ってきて……という物語だ。

◇英米豪の美形次世代スターが勢ぞろい

 キャストには人気上昇中の若手俳優が顔をそろえた。強さと繊細さを持つナンバー4を演じるペティファーは、150人以上のオーディションで選ばれた。90年英国生まれで、モデルとして活躍後、05年に俳優デビューし、07年の英スパイアクション映画「アレックス・ライダー」で主演。“若手美形俳優”として注目を集めている。カルーソ監督は起用の理由を「ダイナミックで男性的な要素を持っている。それ以上に気に入ったのは、彼の持つ危うさやもろさ」といい、ナンバー4の「自分自身が何者であるか発見できずにいるキャラクター」とペティファー自身に類似性を見いだしたという。ナンバー4と恋に落ちるサラを演じたアグロンは、米人気テレビシリーズ「glee/グリー」で学校一の美少女でチアリーダーのクイン役で知られている。そしてナンバー4と同じ“選ばれし9人”の1人、ナンバー6として登場するのは、オーストラリア出身のテリーサ・パーマー。07年に「明日、君がいない」で主演して映画デビューし、「魔法使いの弟子」(10年)などに出演している。セクシーで自信あふれるオーラを放っているとして起用された。ほかにUFOオタクのサム役でカラン・マコーリフ、サラの元彼役でジェイク・アベルが出演している。

◇スタントなしのアクションとリアルな心理描写

 ナンバー4を演じたペティファーと、ナンバー6を演じたパーマーは、数カ月にわたって武術やスタントのトレーニングを受け、激しいアクションシーンも自ら演じた。ペティファーは時速64キロで飛ばされたり、高い足場から宙返りで飛び降りたりするシーンに挑戦し、「すべてを楽しんだよ。トレーニングも実際の本番もね。銃を持って走り回ったり、がけから飛び降りたり、本当に楽しかった」と撮影を振り返っている。パーマーは、約18メートルの高さで宙づりにされ、揺れ動きながら行った戦闘シーンをお気に入りのアクションシーンとして挙げ、「何度でもやりたいと思えた。その瞬間、自分を誇りに思えたわ」と語っている。一方、カルーソ監督は、観客がナンバー4たちに感情移入できるよう「作品をできるだけリアルに保ち、それでいてファンタジー的で空想的な要素と掛け合わせた」「葛藤や自己探求などの要素と、スペクタクルなアクションを、絶妙なバランスで共存させ続けることにチャレンジした」と語っている。また製作の準備段階でスピルバーグ監督からストーリー、視覚効果などのアドバイスを受けたことを明かしている。

◇特殊能力を生かし、協力して敵と戦うヒーロー

 特殊能力を持つナンバー4とナンバー6が、謎の暗殺者たちと激しいバトルを繰り広げるシーンはこの映画の見どころの一つ。覚醒したナンバー4は、テレキネシス(念力)とルーメン(光度エネルギー)の能力を持ち、ナンバー6は炎を操る能力を持つ。テレキネシスは手を触れずに物を動かしたり、止めたりできるほか、破壊することも可能な力。自らが光源となるルーメンの能力には、仲間を守る重要な役割を果たす力もある。炎を操るナンバー6の能力は、攻撃にも防御にも発揮される。「スーパーマン」のようにすべてを凌駕する圧倒的なパワーではなく、それぞれ異なった特殊能力で協力して敵と戦い、仲間を守る姿は、日本の大ヒットゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズなどのRPGや、それぞれが固有の特殊能力を持ったサイボーグ戦士の活躍を描いた石ノ森章太郎さんのSFマンガ「サイボーグ009」を連想させる。また特殊能力を持った主人公の孤独や葛藤、そして戦いという点では、パイロキネシス(念力放火能力)を持った女性を描いた宮部みゆきさんの小説「クロスファイア」にも通じるものがある。

 原作は「ロリエン・レガシーズ」として全6巻になる予定で、米国ではナンバー7を主人公にした「The Power of Six」が発売されている。映画の続編も期待される作品だ。

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