俳優の山本裕典さん(24)が出演し上演中の舞台「パレード」が2月18日、WOWOWで放送される。これまで「普通の役をやったことがなかった」という山本さんは、先輩の彼女に恋する大学3年生の良介を演じており、「普通の役もできるんだぞというのをファンの方に見せたい!」と力を込める。「僕自身も友だちの彼女に好意を持った経験があった」と過去の恋愛経験を明かしつつ、「舞台に立っているとたくさんの人が見てくれるじゃないですか。笑ったり泣いたりしてもらったりするだけですっげー気持ちよくて、注目されるのがたまらない!」と興奮気味に話す。そんな山本さんに、同作に懸ける思いや演技について聞いた。(毎日新聞デジタル)
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原作は、東京都内の2LDKマンションでルームシェアをする男女の若者たちを描き、第15回山本周五郎賞を受賞した吉田修一さんの小説。山本さん演じる良介、若手人気俳優と“自称”熱愛中で無職の琴美(本仮屋ユイカさん)、イラストレーター兼雑貨屋店員の“不思議女子”未来(原田夏希さん)、映画会社勤務のきちょうめんな直輝(福士誠治さん)は、それぞれが何かを抱えながらも干渉せず生活していた。そんな4人の部屋にある日、サトル(竹内寿さん)が現れる。なんとなく一緒に住むことになったサトルだが、近所では女性を狙った連続暴行事件が起き、4人が抱えていた問題も露呈し始め……というストーリーが展開する。
「普通の大学生で、周りに流されやすいタイプの人間」と良介を分析する山本さんは、先輩の彼女に恋するという役どころに「僕自身も昔、自分の友だちの彼女に好意を持った経験があったりして、共感できる部分がいっぱいあった」といきなり告白。山本さん自身が良介と同じ状況だったら?と聞くと、「ダメダメダメ!」と声を荒げ、「好きになったらガーッていく直球なタイプなんですけど、(相手が)誰かと付き合ってるってだけでダメ。(自分の)思考から消します」ときっぱり答えた。
ドラマ「タンブリング」(TBS系)ではヤンキー役、「桜蘭高校ホスト部」(TBS系)ではホスト部の部長役など、「テンションが高い役だったり、ひ弱な役など両極端が多かった」とこれまで演じたキャラクターを振り返り、今回は「普通の役というのが新しい挑戦という感じ」と目を輝かせた。自身の演技については、「芝居が大げさで、ナチュラルな芝居をやったことがない。普通の芝居をする同年代の役者を見るとちょっとうらやましくなる」と本音も漏らしながらも、「コメディーだったりする部分では自信を持っている部分もあるので、今回は“自然な山本裕典”を見せられたら、そこがテーマ」と明かした。
同作は10年に映画化され、藤原竜也さん、香里奈さん、貫地谷しほりさん、林遣都さん、小出恵介さんらが出演。映画は、第60回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で国際批評家連盟賞受賞、第4回アジア・フィルム・アワードベストフィルムにノミネート、第14回釜山国際映画祭招待作品としても注目された。舞台版も映画版と同じく行定勲監督が演出を手がけ、脚本は舞台版「世界の中心で、愛をさけぶ」などを手がけた蓬莱竜太さんが担当している。
“気持ちが切れない”という舞台のオファーが来たときには、「やりたい! やりたい!という感じだった」と振り返った山本さんは、「テレビの芝居と舞台の芝居は“なにか”が違うんです。それはたぶん、気持ちがつながっているということ」と持論を展開。「テレビでもそういうことができないといけないんですけど、だからこそ舞台を経験することでテレビにも生きると思う」と力を込めた。
舞台は、天王洲銀河劇場(東京都品川区)で16~29日、シアター・ドラマシティ(大阪市北区)で2月4、5日に上演。番組は、25日の公演の模様を2月18日午後9時から「WOWOWライブ」で放送予定。
<プロフィル>
やまもと・ゆうすけ 1988年生まれ、愛知県出身。05年、女性誌「ジュノン」(主婦と生活社)のコンテスト「第18回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリとフォトジェニック賞(読者投票1位)を受賞。06年、ドラマ初主演となる「仮面ライダーカブト」で俳優デビュー。以来、ドラマは「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(07年)、「タンブリング」(10年)、「桜蘭高校ホスト部」(11年)、映画は「ROOKIES(ルーキーズ)−卒業−」(09年)、「パラダイス・キス」(11年)、舞台は「パッチギ!」(09年)、「じゃじゃ馬馴らし」(10年)など数々の話題作に出演している。