注目映画紹介:「ライアーゲーム 再生」 最高の難易度「イス取りゲーム」を映画化

「ライアーゲーム 再生」の一場面 (C)2012 フジテレビジョン/集英社/東宝/FNS27社
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「ライアーゲーム 再生」の一場面 (C)2012 フジテレビジョン/集英社/東宝/FNS27社

 05年に「週刊ヤングジャンプ」で連載が開始され、07年と09年にはテレビドラマ化。さらに10年には劇場版「ザ・ファイナルステージ」が公開され、24億円に迫る興収を記録した「ライアーゲーム」シリーズが、「再生(リボーン)」の副題とともにスクリーンにカムバック。主人公の元天才詐欺師・秋山深一役は、ドラマ版からおなじみの松田翔太さん。前作までのヒロイン、戸田恵梨香さんに代わり、映画オリジナルのヒロイン篠宮優役を多部未華子さんが演じる。

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 ファイナルステージから2年がたったある日、大学を卒業したばかりの篠宮の元に、ライアーゲーム事務局から現金1億円と招待状が届く。彼女がとっさに助けを求めたのは、大学で心理学を教える秋山。「そんなもの放っておけばいい」という秋山の言葉を無視し、ゲーム会場に向かった篠宮。そこには20億円ほしさに集まったプレーヤー18人がいた……。

 今回描かれるのは、原作者の甲斐谷忍さんも最高の難易度と公言し、ファンの間ではシリーズ最高傑作といわれる「イス取りゲーム」のエピソード。一見単純だが、チームを組んでの団体戦となっていくに従って複雑さが増し、1回の解説で理解し切れないのは前作と同様だ。その一方で、だまし、だまされの心理戦がエスカレート。その中で「みなさんを信じています」と、どこまでもお人よしの篠宮。そのバカ正直さは、前作まで戸田さんが演じていた神崎直以上だ。

 20億円を巡って争うプレーヤーたちを船越英一郎さん、新井浩文さん、小池栄子さんらが個性豊かに演じる。中でも、カルト教団の教祖という設定の船越さんの“らしくない”演技は大いに見ものだ。笑顔を一切見せず、今回のライアーゲーム事務局の人間になり切った江角マキコさん、天才子役の芦田愛菜ちゃんの怪演にも注目。監督は、ドラマ版と劇場版第1作に続いて松山博昭さんが務めた。3日からTOHOシネマズスカラ座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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