今年で4回目を迎えた「沖縄国際映画祭」が3月24~31日、沖縄県宜野湾市を中心に開催された。今年は過去最高の41万人を集客し、お笑い芸人やタレント、モデルらが参加したファッションショー「沖縄ちゅらイイ! GIRLS UP STAGE」が初めて開催されるなど映画上映以外のイベントも注目を集めた。また、最終日には沖縄にエンターテインメント拠点「エンターテインメント・ビレッジ」を設立する構想も主催の吉本興業から発表された。創業百周年を迎えた同社の大崎洋社長に、映画祭の手応え、新構想などについて話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
ウナギノボリ
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映画祭の最終日である3月31日、大崎社長は枝野幸男経済産業相と会談し、経産省も日本の魅力を世界に発信する「クール・ジャパン」戦略の一環として同社の「エンターテインメント・ビレッジ」構想を後押しする意向を示した。大崎洋社長は「アメリカのラスベガスのように、エンターテインメントだけをやる地方自治体のようなものを作りたい」と明かした。
大崎社長は沖縄に、国内だけではなく、アジアからも人を呼び「一緒に暮らし、一緒にご飯を食べ、発表する」場を作りたいと熱弁。「大学にも専門学校にないもの、あるものも含めてネイルアートの学校とか次の『クール・ジャパン』になるようなものを作りたい。今の若い子は世の中にあるものではなくてないものを欲しがっている。若い子に何が欲しいかを聞いて、それを職業につなげられればと思う。ともに暮らしてともに作る。それを教育というかは別として。教育といえば、教育だし、遊びといえば遊びだし、ニコニコ楽しく気楽に、でも真剣にという姿勢で」と話した。
エンタメ拠点を沖縄に設定したのは、アジアの各都市に近いという地理的特性のほかに、沖縄への関心も高めたいという意図もある。大崎社長は「アジアからいろんな人たちが来れば、沖縄への関心も高まる。政治的なことは分からないけれど、たくさんの人が沖縄に来て、暮らして、どう感じるかというところからスタートするのもいいんじゃないかなと。一石三鳥にも四鳥にもなるんじゃないかな。10年計画でそれをしようと考えている」と明かした。
映画祭では前回から「地域発信型プロジェクト」と題し、国内の5地域が参加した映画やタイ、フィリピン、マレーシア、台湾といったアジア各国との共同製作作品を上映。また、「地元を愛する心で、地域の住民だからこそ知っている全国に知らせたい」ことをCMの企画として募集した「JIMOT CM COMPETITION」も設置するなど、海外だけではなく国内のローカルな“地元”へも目を向けている。大崎社長は「地元のショートフィルムを物々交換したりして、映像が持つ力と産業を結びつけて地域同士で、アジア中がつながるイメージ。地域とアジアを結びつけたい」という。
期間中の2日目の25日、同映画祭初のガールズステージ「沖縄ちゅらイイ! GIRLS UP STAGE」も開催された。大崎社長は「東京ガールズコレクションを見ていても、本当によくできている。言葉がいらなく、ライブでアジア中にツアーができて、Eコマースが付いているといういいシステム。そのシステムを先行させてビジネスとしても成立させながら、笑いを取り入れたらどうなるかという実験をしたかった」と話す。今後は台北でのイベントも予定され、「年内には上海、東京でもやっていきたい」と意気込んでいる。
「沖縄国際映画祭」が目指すものは映画だけにとどまらない。大崎社長は「たまたま『沖縄国際映画祭』となっているけれど、本当は『テレビ、ラジオ、雑誌、新聞、インターネット祭』にしたかった。長くなるのもいやなので映画祭にしようとなったんだけれど」と話し、「それぞれのメディアの特質があるわけで、お互い協力しながらパワーアップしていけばいいのではないかと思う。通信対放送みたいなことがあるのは良くないと思う。目指すのは『地元の人たちに愛されるお祭り』と『オールメディア祭』。沖縄の人たちの誇りになるような祭りになれば最高にうれしいと思う」と目を細めた。
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