02年から「月刊ベツコミ」(小学館)で、10年かけて連載された小畑友紀さんによる人気マンガを2部構成で映画化した「僕らがいた 後篇」が公開中だ。「前篇」の最後で、北海道釧路市から東京へ転校した生田斗真さん演じる矢野元晴と、彼との再会を信じ見送った吉高由里子さん演じる高橋七美。「後篇」では舞台を5年後の東京に移し、社会人となった元晴と七美が、すれ違ってしまった原因と2人のいきつく先が描かれている。
ウナギノボリ
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“高橋目線”だった「前篇」に対し、矢野のナレーションで始まる「後篇」は彼を軸に物語が進んでいく。目線が変われば世界も変わる。「前篇」でのキラキラ感はうそのように消え、めいっぱい暗い話が続く。「心が幸せなら、どんな未来でも受け入れられる」……。のちに高橋とも親友となる、矢野の転校先の同級生、千見寺亜希子の言葉を試すかのように、矢野と高橋には次々と“不幸”が襲いかかってくる。2人の恋路の邪魔をする人間を徹底的に敵として描いているのも「後篇」の特色だ。
生田さん、吉高さんのほか、矢野に複雑な感情を抱く山本有里役の本仮屋ユイカさん、高橋のよき相談相手で矢野の親友、竹内匡史役の高岡蒼佑さん、矢野の母親役の麻生祐未さんが「前篇」に引き続き登場。さらに、千見寺役で比嘉愛未さんが加わる。最近、一つの物語を2部構成にする作品をときどき見かけるが、それらの多くが“引き伸ばし”感がある中、脚本の吉田智子さん、三木孝浩監督による今作は、描く期間が6年という長さを持つこと、また、前・後篇のメリハリのつけ方からして2部作が相応だと感じた。21日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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