アニメ質問状:「坂道のアポロン」 青春時代の甘酸っぱさ、ほろ苦さを

(C)小玉ユキ・小学館/「坂道のアポロン」製作委員会(C)小玉ユキ・小学館
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(C)小玉ユキ・小学館/「坂道のアポロン」製作委員会(C)小玉ユキ・小学館

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、ジャズの魅力に引かれた若者たちの青春を描いた「坂道のアポロン」です。渡辺信一郎監督に作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 −−作品の概要と魅力は?

 時は1966年、九州の佐世保をモデルとした地方都市で、ジャズにあこがれる高校生たちが過ごすひとときの時間を、とても美しく、時にはせつなく描いた作品です。原作マンガは今どき珍しいくらいの直球で、誰もが一度は通過する青春時代というものの甘酸っぱさ、ほろ苦さとかいうものを描いています。

 −−制作決定の経緯と、アニメにするときに心がけたことは?

 自分が話をもらうずっと前から、この作品のアニメ化の企画はあったけどなかなか進まなかったらしいですね。音楽に詳しい監督として自分にオファーが来たんですけど、12秒ぐらい悩んだ末にやることにしました。何を悩んだかというと、自分はすごく音楽が好きなので、自分がやるなら音楽シーンは妥協を許さぬものにしたいというところですね。とてもいい原作なので、アニメにするにあたってその素材の良さを最大限に生かすように調理しているつもりです。

 −−音楽担当が菅野よう子さんですが、どのタイミングで菅野さんの起用を考えたのでしょうか?

 この作品のオファーをもらって18秒後ぐらいに、音楽は彼女がいいんじゃないかと思いました。普通のBGMだけでなくて、劇中でキャラクターがジャズを演奏するシーンも含め総合的にプロデュースしてくれてます。演奏シーンに関しては、松永貴志くん、石若駿くんという若手二人が、キャラクターになりきって演奏してくれています。彼らの「楽器を使った演技」も見どころですよ。

 −−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 音楽どりの時に、毎回アニメのスタッフでカメラを十何台も持ち込んで絵を描く参考に実写を撮影したんですが、自主制作映画をとってるようで面白かったですね。

 −−今後の展開、視聴者へ一言お願いします。

今後の展開は、詳しくは話せないけど……。青春時代って楽しいことも多いけど、落ち込んだり苦い気持ちになることも多くて、この作品でもその両方を描いていくことになると思います。そこに共感できる人も多いんじゃないかな。あと、マンガとかアニメが好きな人はもちろんですが、普段そういうものを見ないけど、音楽が好きだったり、楽器を演奏したことがある人は、ぜひ見てほしいですね。

 監督 渡辺信一郎

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