母親の生活保護費受給問題について25日、吉本興業東京本部(東京都新宿区)で会見したお笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんは受給の事実を認め、謝罪した。グレーのスーツにネクタイを締めた河本さんは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの竹中功専務、吉本興業の渡邉宙志・法務本部長とともに会見場に姿を見せ、報道陣に向かって深々と一礼し、席に着く際にも一礼。「今回のいろいろな騒動の件、大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした」と長々と頭を下げた。
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母親が生活保護を受給していたかどうかという報道がありましたが、それは事実でございます。生活保護を受給した時期でございますが、まだ芸人としてまったく仕事がない時期でございまして、母親がスーパーの鮮魚コーナーで働いていました。そのころに母親が病気にかかり、ドクターストップがかかり、生活保護を母親が自分で決めてきました。その頃の自分の年収が100万円に満たず、福祉の方に「申し訳ないが扶養できない」と一筆書きました。そこから生活保護の受給が始まりました。
自分が、東京に出てきてテレビに出るまでにかなりの時間がかかってしまいまして、その間、環境も変わり、結婚もしまして、自分の家族もできました。東京に出てからも自分のバイトをし、奥さんにもバイトをしてもらって生計を立てるようになりました。そこから数年がたったころようやく全国のテレビ番組に出させていただくことができまして、福祉事務所から母親の援助はできないか打診がありました。福祉の方に「援助できます」「精いっぱいの援助しかできませんがよろしいでしょうか」とお返事して書類を返しました。それから数年がたち、再度、福祉事務所から援助の増額をしてもらえないかという話をもらい、改めて家族と話し、増額の援助を、毎月送れる金額を提示して、書類を返しました。
これまですべて福祉の方と相談して決めたことですし、このことに何か問題があるのかと思っていましたが、今になって考えてみると、むちゃくちゃ甘い考えだったと深く反省しています。申し訳ありませんでした(深々と一礼)。
今もずっと病気を患っている母親の治療費のこととか自分の生活のこととか、自分がダメになってしまうと、すべてがダメになってしまうのではないかという不安で、福祉の方と相談して決めさせていただきました。ただ、母親は一人で僕と姉を育ててきまして、大変お世話になったのに、今度は自分がおかんを……(涙で声を詰まらせる)、おかんの面倒を見なくてはならないということに対して……、自分の考えが非常に甘かったという認識があります。
本来は自分がやらなければならないことを、岡山の福祉の方にお願いして、大変お世話になりましたので、助けていただいた分のお金をきちんとお返ししたいと思います。お金をきちんとお返しした上で、岡山の、岡山に対して、いろんなことで貢献できればと考えています。これから早急に、いろいろな事に役立っていければなと思っています。今回の件は本当にいろいろ深く考えさせられました。
もっと自分がしっかりしていれば、母親に嫌な思いをさせることもなかったでしょうし、税金を負担してくださってるみなさまに大変申し訳なく思っています(涙声)。自営業の方々でもごく当たり前のように親の面倒を見る、そういう方も全国のみなさんみんなされているにもかかわらず、自分の仕事が不安定というだけで、甘くなってしまったことに申し訳なく思っています。そういう方にも改めておわび申し上げたいと思います。申し訳ありませんでした(深々と頭を下げる)。
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−−最初に生活保護を受けた時期、最初に援助できると返事した時期、増額の時期は?
僕が芸人になって2、3年ぐらいたってからですので、14、15年くらい前だという認識です。最初の第1回の援助が5~6年くらい前だったと思います。(増額は)今年に入ってから、今年の1月ぐらいだったと思います。現在は生活保護を受けておりません。
−−生活保護受給はいつやめたのか?
私がしたことではなくて、母親が、ぼくに対してもそうなんでしょうけど、これ以上迷惑はかけられないという思いがあったのか、母親から生活保護を打ち切りたいという話がありました。3月か4月頃だったと思います(正確には4月)。
−−これまでの生活保護は正しかったと思っているか?
はい。
−−途中からは正しくはなかった?
いえ、ずっと正しいと思っていましたが、ただ、自分の認識の甘さといいますか、福祉の方ときっちりご相談した上で、ぼくが何もかもを無視して勝手に毎月送っていたわけではございませんし、「最低限いまできる金額はこちらですがよろしいですか」というような内容をきっちり話して、納得していただいた上でやらせていただいたので、そこに問題があるとは私はまったく気づきませんでしたし。ただ、いろんなご指摘がありまして、改めて自分の甘さに、人としてですが、人間として自分だけが甘えているんじゃないかというように思いました。すみませんでした。
−−不正受給とは違うと?
はい。
−−正しい分も返還するのか?
正しい分と言いますか、それまでは、自分の年収が、自分の家族が養える分だけの収入をもらえていませんでしたので、生活保護を受けざるを得ないという状況となった時期に、福祉の方にお世話になったので、生活保護を受給されているということは、普通に問題がないと思いますが、自分がテレビに出だして収入がたくさんあるにもかかわらず、その時点で生活保護を受けていたという、その事実。その部分に関しましては、自分の認識の甘さがかなりありましたので、おそらくその辺からは、すべてきちんとお返ししたいと思っています。(いつからのものを返す?)だいたい5~6年前からだと思います。
(吉本興業・渡邉宙志法務本部長)行政と話をして決めさせていただいているところです
−−毎日、テレビに出ている中で母親が生活保護を受けている、どんな気持ちだったか?
正直なところ、情けなくて恥ずかしい気持ちです。自分の母親が生活保護を受けているということは正直誰にも知られたくなかったし、そういうことも世間の人には分からなく、明るく振る舞うことが自分の仕事だと思っていましたし、生活保護を受けてる中で仕事をしてきましたが、早く抜けさせてあげなくてはというような思いで仕事をしてきました。
−−援助を始めたという5~6年前は、十分に面倒を見ることはできなかったのか?
かなり自分の認識が甘かったんだと思います。その時期に(面倒を)見られただろうというご指摘もたくさんありましたけれど、これは自分一人だけではないんですが、来年の仕事の保証はまったくございませんし、自分ごとではございますが、その間にも数回、長期的に休まなければならない病気も患ってしまいまして、その分すべて自分の負担になりますし、芸人保険というものもございませんので、パニックになったのはいまの正直な気持ちです。
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−−母親が申し出るまで受給打ち切りは考えなかったのか?
半年くらい前から話し合いはずっと進めさせていただいていました。生活保護を受けている方だとご理解いただけると思うのですが、特に大病を患っている家族がいる場合ですと、急に莫大(ばくだい)なお金がかかったりと、いろんなことがございますので、定期的に自分の方でも、お金の蓄えもしていかなければなりませんし、なおかつ、自分の家族の生活もありましたし、その分、福祉の方々に自分の気持ちが甘かったのか、半年くらい前からお話しさせていただくようになりました。
−−河本さんから援助額以外にお小遣いのような支援はしていたか?
基本的にはありません。長年会っていないという状況もありましたし、岡山と東京ということで、自分の仕事も忙しくなってきまして、仕事がない時には電話もできるタイミングもあったんですが、深夜に収録が終わることも多いので、なかなか話をすることもできなかったですし、その辺が今回の件を招いたんだと思います。もっと母親のケアがもっとできればなと思っています。
−−虚偽申告をしていたとか、母親に実際は資産があったとかではない?
(吉本興業・渡邊法務本部長) 純粋に法的なことを申し上げると、我々の方では、そういった、いわゆる不正受給といわれるような、虚偽の申告をして生活保護を受けるというような行為はなかったと認識しています。そこのところは問題ないと思いますが、今回、道義的な部分でというところでお話しさせていただいているという認識です。
−−認識が甘いとは、援助額が少なかったということか?
少なかったというようなお話よりも、収入が多いにもかかわらず、生活保護を受けているのは道義的にどうなのかという指摘に対して、自分の認識が甘かったというようなことでございます。
−−以前は道義的に問題を感じていなかった?
感じていなかったといいますか、たしかに甘い部分はあったのかなと今は思ってます。情けなく思っています。
−−今回の件が大きく報道されたが、その間、母親とやりとりは? 実家には帰ったか?
今日の会見に至るまで、ずっと仕事をしていまして、岡山の実家に帰ることはできませんでしたが、今日も母親と電話をしまして、「しっかりしゃべって来い」と言われました。
−−今回の件を一部国会議員が問題視したが?
今、私の立場から何も言えることはございません。
−−議員は自身の言葉で説明してほしいということだったが、少し時間がかかったのでは?
(渡邊法務本部長) 私の方で議員とお話はさせていただいているが、いただいた話を吟味したり、改めていろんな方にお話を聞いたりしていたので、時間がかかったというご批判があれば、それは申し訳なかった。議員の方などとも、これからも真摯(しんし)にお話しさせていただきたいと思っています。
−−芸人でなく一般のサラリーマンだったら今回の事態をどう考えたと思うか?
最初の時点で生活保護を受けなければならなくなった理由の一つとして、年収が100万円にも満たなかった時代が数年にわたって続くというような事態が、サラリーマンでは起きないと思います。安定した収入があり、もし仮に、そのような事態が起きたら、その時点で早急に対応できたと思いますが、それを言うならば、収入が高くなった時点で自分で面倒見られなかったのかというご指摘になりますので、すべて自分の認識の甘さ、申し訳なく思ってますし、道義的に、人として甘かったなと実感しています。すみませんでした。
−−ツイッターのプロフィル更新の意図は?
子を持つ親でありながら、いろいろなストレスを抱えてしまいまして、うやむやな気持ちで軽率な投稿を書いたことを深くおわび申し上げます。すみませんでした。
改めまして、大変お騒がせしたことをおわび申し上げます。申し訳ありませんでした。