山寺宏一:10年目を迎えるスティッチ役に「いまだに苦労」

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 ディズニーの人気テレビアニメ「スティッチ!」シリーズの最新作「スティッチと砂の惑星」が16日午後5時半~6時半にディズニー・チャンネルで世界初放送される。人間はもちろん動物や架空のキャラクターなどあらゆる役の声を演じ分け、スティッチの声も担当して10年目というベテラン人気声優の山寺宏一さんに、10年を振り返って、作品への思いなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「スティッチ」シリーズは02年に全米で公開された映画「リロ&スティッチ」(クリス・サンダース監督)から今年で10周年を迎える。テレビシリーズ「スティッチ!」はディズニーが日本国内で制作しているテレビアニメで、沖縄を舞台に物語が展開する。「スティッチと砂の惑星」は、沖縄ニュータウンの浜辺で夏を楽しんでいたスティッチとユウナだったが、惑星戦争の知らせが入り、スティッチは旅立つことに。燃料補給のために“砂漠の惑星”に立ち寄ると、宿敵のハムスターヴィール博士が待ち受けていた。スティッチはとらわれた仲間の開拓者エイリアンたちとともにピンチを乗り越えようとするが……というストーリー。お笑い芸人のケンドーコバヤシさんとお笑いコンビ「ハリセンボン」の箕輪はるかさんがハムスターヴィール博士にとらわれた開拓者エイリアン役で声優としてゲスト出演を果たしている。

 オリジナル版からスティッチの声優を務める山寺さんは「10年もスティッチをやらせてもらうことになるとは思わなかった」と明かす。スティッチはエイリアンという設定のため、当初は役作りに苦労したという。「最初はどんなキャラクターになるんだろうと見当もつかなくて。スティッチはエイリアンで凶暴だし、ヨダレは垂らすわ、破壊活動はするわ、人間とコミュニケーション取れないわで。まず自分にできるのかというのとキャラクター自体が人気が出るのかなあと不安だった」と振り返った。「最初はスティッチのキャラクターグッズを見ると“他人”に見えなくて見つける度に買っていたんです。でもキリがなくて(笑い)。今は日本中の観光名所ににグッズがありますよね。10年続いて、新作がまた出るのもスティッチが愛されている証拠なので、うれしいです」と喜びを語った。

 しかし、スティッチの声についてはいまだに苦労しているという。「スティッチの声は普通の声帯より奥で話すんです。オリジナル版ではサンダース監督自らスティッチの声をやられていて、『オリジナルのスティッチと同じ発声法でやってほしい』といわれて。英語での声の出し方と日本語の出し方も違うので難しい。今も苦労しています」と話した。「美女と野獣」「アラジン」など数多くのディズニー作品で声優を務めている山寺さんは「一番難しいキャラクターはスティッチとドナルドダック」と明かす。「感情表現が難しいのはどの作品も同じ。キャラクターでいること自体が難しいのはその二つ。だからこの二つのキャラを演じるときは心してかかる。いまだに日々勉強、戦いという感じです」と力を込める。しかし、それだけに愛着もひとしおの様子で「(スティッチとドナルドダックは)人前でやってはいけないといわれるけれど、やると最も喜ばれるキャラクター。僕の“飛び道具”です」と笑った。

 そんな愛すべきキャラクター・スティッチと山寺さんの共通点は? 「スティッチは最初は宇宙の言葉しか話せなかったのが、だんだんいろんなものを吸収して成長していく。僕もいろいろなものを吸収したいという気持ちは衰えていない。面白いものを取り入れて自分のものにしようと努力をしているところが共通点です」と断言した。

 最後に、新作「スティッチと砂の惑星」見どころについて「スティッチはユウナのことが大好きなんです。ユウナとスティッチの家族、姉弟、友だちという関係性がたっぷり描かれているところが見どころ」とアピールする。同作では、スティッチが宇宙に旅立つ前にスティッチとユウナが鳥取県に遊びに行く場面も描かれる。次にユウナと日本で行ってみたい場所を聞くと、「日本にはたくさんいいところがあるから」と迷いつつ、「僕が宮城県出身というのもあるので東北を回ったり、北海道に行ってもいいですね。逆に都会もいいかな。東京スカイツリーとか浅草寺、浅草花やしきに行ったり屋形船に乗ったり……」とスティッチさながらにいたずらっ子っぽく目を輝かせていた。

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