JUJU:ドラマ主題歌「ただいま」をリリース 「失う前に相手に気づけるという希望あふれる曲」

ニューシングル「ただいま」について語るJUJUさん
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ニューシングル「ただいま」について語るJUJUさん

 歌手のJUJUさんが、ニューシングル「ただいま」を13日にリリースした。竹野内豊さん主演のTBS系ドラマ「もう一度君に、プロポーズ」の主題歌にも起用された話題のシングルの制作過程や、ドラマにちなんで自身の恋愛観などについてJUJUさんに聞いた。(水白京/毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 −−新曲「ただいま」はドラマ「もう一度君に、プロポーズ」の主題歌として制作されたそうですね。

 奥さんが過去5年間の記憶をなくしてしまって、だんなさんのことだけを忘れてしまうという内容のドラマで、ものすごく切ない話かと思いきや、悲しい話ではないから、バラードというよりは温かい気持ちになるような曲で、というリクエストを(ドラマの制作側から)いただきまして。ここ1年、もの悲しい曲が(シングルで)あまりに続いて、そろそろ悲しい曲じゃないものを、とは思っていたので、こういう明るくて温かい曲を歌えるのはうれしいです。

 −−楽曲の中で描こうとしたものは?

 恋愛関係が長くなるほどトキメキも薄れて、最初のころみたいに優しい言葉もかけてくれないし、大切にも扱ってくれない。そろそろ次(の恋愛)にいこうかなと思うけど、でも、当たり前みたいに一緒にいられることの大切さや“当たり前”を続けられる人がいることの素晴らしさに気づいたときは「ただいま」というし、「ただいま」って帰れるところがあることの幸せってあるなって。今までは、失ってから大切なことに気づくパターンの曲が多かったけど、今回は失う前に気づけるという希望あふれる曲です。

 −−レコーディングはどうでしたか?

 たまたま、レコーディングの2時間ぐらい前に「もう一度君に、プロポーズ」の音なしのテレビスポットを家で見たんですよ。そのイメージがあったので、(妻役の)和久井映見さんの姿がチラチラしながら歌っていたんですけど、歌詞の中の「探してた愛はここにある」ということに彼女が気づいて、最終的にもう一度夫婦に戻るといいのになって。そして私もいつか、そんな関係を誰かと築きたいって切に願いながら歌っていました(笑い)。

 −−歌詞にもありますが「見つめ合うより同じ明日を見ている」というような恋愛の形にあこがれたりしますか?

 あこがれますね。そもそも一番楽しいときに一番最悪のことを考えるタイプの人間なんで、見つめ合ってうっとりする期間を抜けたあたりのほうがホッとします。それっていうのも、中学生のとき、中1のクラスがメチャクチャ楽しくて、でもその中学は2年生でクラス替えがあって3年はクラス替えがないから、2年生で替わったクラスは卒業まで一緒なんですよ。なので、5月ごろに「すっごい楽しいこのクラス!」って思ってたけど、来年にはクラス替えなんだなと思ったら、すごく傷ついて。そのとき、楽しいことは長くは続かないっていうのを悟ったんですよね。それがずっと付きまとっていて、いまだにそうです。

 −−それって、JUJUさんの歌の根幹にある“切ない世界観”のルーツをみるようなエピソードですね。ところで、ドラマは“夫婦”を題材にしていますが、JUJUさんにとって理想の結婚相手とは?

 同じくらい忙しい人か“主夫”がいいですね。でも専業主婦にもあこがれます。家事もすごく好きなので、家事だけやって、あとはごはんや旅行や買い物に連れて行ってくれるダンナがいたら、それはそれで全然いいですね。でも、そんな人はなかなかいないから、自分で働かないと(笑い)。でも、そうこうしてたら、1人で生きていけるというか、結婚する気が全然なくなってくるという。もう結婚相手に何を望んだらいいのか全く分からないですもんね。

 −−なるほど~。では、カップリング曲「花がめぐるところへ」についてもお聞きしたいのですが、この曲はご自身も出演しているジャックスのCMソングですね。

 CMのコンセプトが「未来にタネをまこう。」ということで、人って変化が一番怖いし、居心地のいい環境から未知のところに行くのって怖いと思うけど、もともといたところの仲間とサヨナラするのは決して悲しいことじゃなくて、これから行く場所から帰る場所ができるだけだから、怖がったりせずにどんどん羽ばたいていってほしいな、という思いを込めた曲です。私も、(歌手を目指して)ニューヨーク(NY)に行ったときと、デビューのために日本に帰って来たときと、大きな変化が2回ありましたけど、特に日本に帰って来るときは不安と心細さはありましたね。

 −−ジャックスのCM撮影で2年ぶりにNYに行ったそうですが、そのときの気持ちは?

 初心に帰るというか初心よりもっと前に帰らされるというか。デビュー前は「どうしたらちゃんと音楽が仕事になるんだろう」とか、デビュー後も全然売れなくて「これからどうなるんだろう」って思ってたから、NYに戻ると、そういう不安定な自分を思い出します。だから、今の状況はすごくありがたいなと思いますね。

 <プロフィル>

 04年にシングル「光の中へ」でメジャーデビュー。09年に10枚目のシングル「明日がくるなら JUJU with JAY’ED」をリリース。初めてハマッたポップカルチャーはテレビゲーム。「ずっとやっていると親に怒られるので、普段は絶対早起きなんかしないのに、早起きしてやってましたね。『ついさっき、10分前ぐらいに起きて』みたいな感じで、シラ~ッとしてました(笑い)。初めて自分で選び取って、親の目を欺いてまでやってたのがファミコンでした」と話した。

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