クルム伊達公子:ウィンブルドンでボンダレンコと対戦「彼女が嫌がるテニスを」

「ウィンブルドンテニス」に出場するクルム伊達公子選手 写真:AP/アフロ
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「ウィンブルドンテニス」に出場するクルム伊達公子選手 写真:AP/アフロ

 テニスのグランドスラム(4大大会)の一つ「ウィンブルドンテニス」がロンドンで開催した。WOWOWでは、大会の様子を7月8日まで連日生中継する。大会2日目となる26日(現地時間)、クルム伊達公子選手が女子シングルス1回戦でカテリーナ・ボンダレンコ選手(ウクライナ)と対戦する。今年で4年連続の同大会出場となるクルム伊達選手に初戦への意気込みを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 −−今年もウィンブルドンへやってきましたが、気分はいかがですか?

 ウィンブルドンが特別な場所という気持ちはずっと変わらないですし、昨年の思い出深い記憶も残っているので、12年もここに帰ってくることができてとてもうれしいです。また、この青々とした芝生を見ると気分も高まってくるという気持ちです。

 −−久々にこの舞台で勝利を収め、さらにビーナス・ウィリアムズ選手といい試合をした、昨年の手応えは残っていますか?

 再チャレンジを始めて4年がたちましたが、調子がいいときも少なく、年齢って厳しいのかなと思ったり、回復が追いつかなくて落ち込むこともありました。でもそういった中で、芝の女王と呼ばれているビーナスを、あと一歩まで追いつめることができたので、自分にエネルギーと大きな自信を与えてくれる試合でした。

 −−それから1年がたち、全仏オープンも終わりましたが、痛めた足の調整はいかがですか。

 全仏で痛めた足がそれほどひどいものという意識はありませんでしたが、実際に治療を続けていく中で、思っていたよりは治すのに時間がかかってしまいました。実際に動き始めてからは回復の度合も高まってきて、違和感はほぼなくなりました。不安な要素も日を追うごとに消えているという印象です。

 −−足を痛めた時は深刻だと思われましたか?

 痛めたときは、筋肉を引っ張ってしまった瞬間もなかっただけに、少し休めば1~2週間でコートに戻れると思っていました。でもふたを開けてみると、2週間でまだプールの中でリハビリをしている状態で。傷は小さかったのですが治りが遅かったという印象です。

 −−実際にウィンブルドンの芝で動いてみて、不安は払拭(ふっしょく)されましたか?

 ここに入ってきたときはまだ選手も少なかったので、コートもいい状態でイレギュラーに苦しめられることもなく、足への負担がない中でスタートできたと思います。これから試合の動きになったり、芝が傷みイレギュラーが多くなったときに、耐えられるだけの足になっているかは始まってみないと分からないです。

 −−1回戦が近づいてきましたが、どのような気持ちですか。

 (本番までの時間が)残り少なくなって、気持ちが試合モードになりつつあります。その一方で、残り少ない時間の中で、足を完全なところまで回復できるかという不安も抱えています。とにかく少しでもいい状態で1回戦を迎えたいという気持ちでいっぱいです。

 −−相手のボンダレンコ選手の印象はいかがですか?

 もともと実力者ですし、ビッグサーブもパワーも持っているので、できるだけ彼女が嫌がるテニスをこの芝の上でやりたいと思います。パワーにパワーでぶつかるのではなく、どのように相手のパワーを出させないようプレーするかを考えながら、試合に挑みたいと思います。

 −−今年はこのウィンブルドンの会場が五輪の舞台になります。今シーズンはオリンピックを視野に入れた戦いになっていますか?

 エントリーの締め切りだった6月11日までは、少しでも可能性があるならばという思いでやってきましたが、現時点では自力でのエントリーは不可能だったので、後はワイルドカードリクエストの結果を待つのみです。もちろん、芝生で41歳で出られるならばという気持ちは今年に入って少しずつ大きく強くなってはいました。今できることは、自分の目の前にあるウィンブルドンで、なんとかベストのテニスに近づけるようプレーをするだけです。

 −−41歳で迎える今回のウィンブルドンをどういった大会にしたいですか?

 私にはこの後チャンスが5回も10回もあるわけではありません。年々、可能性が小さくなる中で、いつ最後になってもいいように、今年もこの芝の上で悔いのないテニスで戦い抜ければと思います。

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