脚本家の橋田壽賀子さんが理事を務める「橋田文化財団」主催の第20回「橋田賞(はしだしょう)」授賞式が11日、東京都内で開催され、俳優の渡瀬恒彦さんや水谷豊さん、女優の市原悦子さんらテレビドラマの主役が勢ぞろいした。
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橋田賞は、93年に橋田さんが理事を務める「橋田文化財団」が創設した賞で、放送文化に大きく貢献した番組や人物に贈られる。本賞の置き時計と、副賞として大賞は賞金300万円、橋田賞は各100万円が贈呈される。
今年の橋田賞は、連続ドラマ「マルモのおきて」(フジテレビ)、沢村一樹さん主演の連続ドラマ「DOCTORS~最強の名医」(テレビ朝日)の脚本家・福田靖さん、スペシャルドラマ「居酒屋もへじ」「水戸黄門」(ともにTBS)などの脚本家・黒土三男さん、「おみやさん」シリーズに主演する渡瀬恒彦さん、「相棒」シリーズ主演の水谷豊さん、NHKの「坂の上の雲」や「新参者」シリーズで活躍する阿部寛さんが受賞。
渡瀬さんは「ほめられるとすごく気持ちがよくて元気になれます」と笑顔で話し、阿部さんは「15、6年前、お仕事でお会いして以来」と橋田さんとの再会を喜んだ。賞に縁がないと嘆いた水谷さんは「還暦を迎えるといいことがあると信じてやって参りました。もうないと思います。今日の授賞式を目に焼き付けて帰りたい」と話して会場を盛り上げた。「『HERO』を書いても、『海猿』を書いても賞をいただいたことはなかった。こんなにうれしいものはない」と喜んだ福田さんの受賞の際には、主演を務めた沢村さんが花束を持ってお祝いに駆けつけた。
新人賞は、連続ドラマ「鈴木先生」(テレビ東京)などに出演した長谷川博己さん、連続ドラマ「それでも、生きてゆく」やNHKの「おひさま」で活躍した満島ひかりさん、新人脚本賞には、佳作で後藤健之さんの「夏の旅人」が選ばれた。20周年記念特別顕彰は、15時間の報道番組「『報道の日2011』記憶と記録そして願い」(TBS)、NHKの「スペシャル『シリーズ巨大津波』」作成チームが受賞した。
長谷川さんは「もともと演劇をやっていたところから、引っ張ってくれた方々がいた。新人賞をいただくには、とうが立っていますが、うれしいです」と話し、満島さんは「ドラマをやって、役者としての責任を感じた時期だった」と昨年を振り返り、「愛してやまない役を演じられて、充実していた。愛をいっぱいもらえるならテレビドラマも続けていきたい」と前向きに語った。「家政婦は見た!」シリーズなど、長年のテレビドラマ界への貢献で、特別賞に選ばれた市原さんは、戸惑いながらも「多くの先輩たちが残してくれた仕事のことを考えます。先輩たちの仕事は、今さらのように味わいを深めて、感謝の気持ちが湧くんです」としみじみと語っていた。(毎日新聞デジタル)
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