マンガ新連載:「バンクーバー朝日軍」 伝説の日系人野球チーム描く原秀則の新作

「ビッグコミックスペリオール」15号
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「ビッグコミックスペリオール」15号

 雑誌で連載が始まった注目作を取り上げる「マンガ新連載」。「ジャストミート」「冬物語」などで知られるマンガ家の原秀則さんが、100年前から太平洋戦争開戦までにカナダに実在した日系人野球チームの実話を基に描いた新連載「バンクーバー朝日軍」が13日発売の「ビッグコミックスペリオール」(小学館)15号でスタートした。

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 マンガは100年前に海を渡った日系人によるカナダの“サムライ野球”チームを描くセミドキュメンタリー。マンガのタイトルにもなっている「バンクーバー朝日軍」は、1900年代前半にカナダに実在した日系カナダ人野球チームだ。“サムライ野球”のルーツともいえる同チームは、差別と貧困にあえいだ日系人に希望と誇りをもたらし、フェアプレーに徹し、白人からも熱狂的に迎えられ、カナダ最強と言われるまでになった。チームは太平洋戦争開戦により解散に追い込まれたが、03年にはカナダ野球殿堂入りも果たしている。

 ◇ビッグコミックスペリオール編集部 由田和人さん

 2012年春、原秀則氏と原作本の作者テッド・Y・フルモト氏にバンクーバーで取材を行い「朝日軍」でプレーした選手で、ただ一人生存なさっている、ケイ上西さんとお会いできた。「日系人だけでなく、白人にも人気のあった朝日軍でプレーをしたことへの誇りが、戦後の苦しい生活を支えた……」と語っていた。原氏とその夜、語り合った。WBCで日本が優勝する100年近く前に、世界に誇れるサムライ野球チームがあったことを今の日本人に伝えたい。いや、知らなければならない。単に野球を描くのではない、単に歴史を描くのではない、人が生きていくための希望を描くんだと……戦争が奪い去った朝日軍を今、紙上でよみがえらせる!!(毎日新聞デジタル)

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