6日、東京・青山葬儀所で営まれた俳優の地井武男さん(享年70)のお別れの会に、地井さんの番組「ちい散歩」を引き継いだ俳優の加山雄三さんが参列。霊前に「見ててくれよ。君よりも僕は頑張れるか分からんけど、大切にしたいものは君が遺(のこ)した素晴らしい心。その足跡を多くの人に伝えていくことができたら、それが君へのはなむけだと思う」と誓ったと明かした。
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加山さんは番組が始まる前に地井さんに電話で「視聴率を守れるか心配だ」ともらしたところ、地井さんは「そんなこと言わないでください。大丈夫ですよ」と励ましてもらったという。その後「視聴率を守れたよ」とまた電話すると「夏のロケは暑いですよ」と地井さんから言われ、まさに「その通りだった」と語り人柄をしのんだ。
お別れの会には、ドラマ「北の国から」や「ちい散歩」共演者など関係者800人が参列。ドラマ「刑事貴族」で共演し公私ともに交流のあった水谷豊さんは「思い出が多すぎて……(死去したことは)夢だったらいいなと」と言葉を詰まらせた。人柄を「相手がどんな人であろうと分け隔てなく気をつかう人」と語り、地井さんが親戚の元巨人軍投手・城之内邦雄さんの付き人をやっていたことに触れ「付き人をやらせたら俺は日本一だって。ゴルフもいつも送り迎えをしてくれて。とにかく周囲が退屈しないようにいろんなことをしてくれた」と在りし日をしのんだ。
「北の国から」で共演したいしだあゆみさんは撮影現場での地井さんの様子を「いつもニコニコしていて、よく照明の重い荷物などをスタッフと一緒に持ったり、やさしい人柄だった」と振り返り、杉田成道監督は「ムードメーカーだった。とにかく人間がよかった」と語った。また、ドラマなどで夫婦役をしていた研ナオコさんは共演した際のことを「『役者じゃないからわからないんです』って言ったら『ナオコちゃんはそのままでいいから』って言ってくださって」と懐かしみ、「祭壇の写真の笑顔が……もう実際に見られないのが悔しい。まだ若いですからね」と涙ぐんだ。(毎日新聞デジタル)