6月29日に心不全のため亡くなった俳優の地井武男さん(享年70)のお別れの会が6日、東京・青山葬儀所で営まれた。激しい雨が断続的に降り続く中、生前交流のあった田中邦衛さん、水谷豊さん、渡哲也さんをはじめ、ドラマなどの共演者ら約800人が続々と詰めかけ、気さくな人柄で親しまれた地井さんに最後の別れを告げた。
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遺影は09年4月に放送された「ちい散歩」の収録時に撮影されたもので、祭壇は合計2万本以上の花で飾られた。ドラマ「北の国から」シリーズで長年にわたって共演した田中さんは、「ちいにい、おいら何度言われてもまだ信じられない。昨年秋には我が家に来てくれたり。暮れには贈り物をたくさんもらったり。あれは別れに来たのか……。3カ月前の4月には電話もくれた。手紙もくれた。ちいにい……ごめんな」と語りかけ、「会いたいよーちいにい。会いたいよ……」と悲痛な声を上げると、取材関係者からもすすり泣きが聞かれた。
同じく「北の国から」で共演した岩城滉一さんは「地井兄ぃは本当に俺の兄貴です。地井兄ぃ、さよなら。残念です!」と別れの言葉を述べ、「太陽にほえろ」で共演した渡辺徹さんは「いまはただただ悲しいです。かわいがってもらった俺たちは、いま途方に暮れています(涙声)。大変不謹慎ではありますが、地井さん、戻ってきてほしい。これが正直な気持ちです」と声を絞り出した。
ドラマで夫婦役を演じるなどした研ナオコさんは「言葉がありません。なんていったらいいかわからないです。地井さんのその笑顔がもう見られないのが、くやしいです」と号泣。ドラマ「刑事貴族」で共演し、「ちい散歩」にもゲスト出演してともに散歩をするなど交流のあった水谷豊さんは、入院中の地井さんを見舞った際に、「地井先輩が僕を抱きしめて、耳元で『ありがとう。豊ちゃん。ありがとう』とかすれた声で言ってくれました。目には涙が浮かんでいたと思います。そのときのかすれた声と言葉は忘れません」と明かし、「多くの人に幸せと安らぎを与えてくれた地井さんの人生は見事だったと思います」と別れの言葉を述べた。
地井さんは今年1月、目に違和感を訴え、東京都内の病院に入院。その後、「心不全の疑い」のため、長期療養に入り、06年4月から続いていた紀行情報番組「ちい散歩」も5月に終了。最終回では、「突然病に倒れ、私自身もびっくりいたしました。この際、治療に専念すべくお休みさせていただくことにいたしました」「大変楽しく、あっという間の6年でした」などと自筆のメッセージを発表していた。
地井さんは千葉県出身。高校卒業後、俳優座養成所入所。「斬る」(1968年)で映画デビューし、日活ニューアクションで活躍。代表作に「反逆のメロディー」「あゝ野麦峠」や「戦争と人間」シリーズなどがある。「海軍特別年少兵」(72年)と「どぶ川学級」(同)で毎日映画コンクール男優演技賞を受賞。悪役から小市民まで幅広く演じ、ドラマ「太陽にほえろ!」「北の国から」のほかCMでもお茶の間に親しまれた。「ちいちい」の愛称にちなんだ紀行情報番組「ちい散歩」は、気さくな人柄がにじみ、根強い人気に。今年5月に終了するまで、通算約1500回を数えた。(毎日新聞デジタル)
田中邦衛▽研ナオコ▽青木功▽水谷豊▽加山雄三▽萬田久子▽いしだあゆみ▽吉岡秀隆▽岩城滉一▽ガッツ石松▽渡哲也▽渡辺徹▽竜雷太▽長谷直美▽舘ひろし▽峰竜太▽石原良純▽林隆三▽阿刀快▽池上季実子▽立川志の輔▽志村けん▽栗原小巻▽城戸真亜子▽宍戸錠▽草野仁▽柳沢慎吾▽柴俊夫▽野際陽子▽中井美穂▽石坂浩二▽三浦友和▽遠藤久美子▽小泉孝太郎▽岩崎宏美▽ラッシャー板前▽生稲晃子▽今井翼▽中山忍▽布川敏和▽ガダルカナル・タカ▽ダチョウ倶楽部▽ネプチューン▽東貴博▽彦麻呂
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