俳優の杉良太郎さんが12日、東京都内で行われた動画配信サイト「BeeTV」のドラマ「親父の仕事は裏稼業」の完成披露上映会に登場。14日に68歳の誕生日を迎える杉さんを、ドラマで家族を演じた出演者と約120人の観客が、サプライズで盛大に祝った。妻役を演じた高島礼子さんからバラの花束を受け取り、縦約60センチ、横約80センチの特大ケーキのろうそくを一気に吹き消した杉さんは「皆さんに、(劇中の)家族にお祝いしていただいて、ありがとうございます」と喜んだ。
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同ドラマは、杉さんが約13年前から企画していた作品で、脚本、監督、主演、主題歌、殺陣まで自ら担当した意欲作。人望が厚く、一家からも家族からも頼りにされるヤクザ、松田組の4代目組長・松田五郎が、職業柄複雑な関係になっている家族と組の両方の“ファミリー”の間で、難問を抱えるという物語。夫を支える妻を高島さんが演じ、国税局職員の長男を袴田吉彦さん、5代目候補の次男を池内博之さん、刑事を目指す三男を小野健斗さん、遊びほうける長女を梨里杏さんが演じる。
杉さんは「私みたいなものが、若い人が好きなBeeTVに出ていいのかと思いましたが、恥ずかしながら出てしまいました。どうもすみません」と恐縮したが、「家庭だんらんがなくなってきたことに寂しさを感じていて、何が幸せか考えていた。親を尊敬したり敬うという気持ちを、職業で差別することなく描きたかった」と熱く語った。
杉さんの監督ぶりについて、袴田さんは「和気あいあいと楽しく撮影できた」、小野さんも「すてきな大先輩方に囲まれて撮影できるなんて夢のようだった」と撮影の様子を語った。杉さんからの演技指導をたくさん受けたという梨里杏さんは「現場のスタッフさんの言葉も、みなさんとのお芝居をしているのも見ているのも勉強。杉監督が言ってくださった『自信を持って堂々と行け』という言葉胸に頑張りました」と充実の撮影を振り返った。
一方、池内さんは「今までやった作品の中で一番撮るのが早かった。普通はテストをやってから本番なので、冷や冷やしました……」と、現場の緊張感を明かすと、高島さんは「杉監督は役者の気持ちもスタッフの気持ちも理解している。役者には程良い緊張感が必要なんです。おかげさまでとてもいい現場だったと思っています」とすかさずフォロー。杉さんは「やっぱり女房だな~。よく見ている」と目を細めてうなずき、「主役は僕だけれど、脚本では脇役の作りになっている。できれば家族が主役でできないかなと思っていたので、それができたのでよかった。それぞれが役に真剣に役に取り組めてよかったかな」と自信を見せていた。ドラマは「BeeTV」で20日から配信。1話約5~7分間の予定。(毎日新聞デジタル)