松本幸四郎さん主演のミュージカル「ラ・マンチャの男」が、19日に帝国劇場で上演された昼の部で通算1200回に到達した。特別カーテンコールに登場した幸四郎さんは、脚本を手がけた故・デール・ワッサーマンさんの妻、マーサ・ネリーさんから、ワッサーマンさんが受賞したトニー賞のトロフィーを手渡され「演劇に携わる者にとってあこがれの賞。私が初めて22歳でミュージカルをやって以来、今日のこの日は最高の日でございます」と涙ながらに喜んだ。
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「ラ・マンチャの男」は、スペインの詩人であり作家のミゲール・デ・セルバンテスの小説「ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ」が原作で、ワッサーマンさんの脚本、ミッチ・リィさんの音楽でミュージカル化された。65年にブロードウェーで上演され、69年に幸四郎さん主演で日本初演されて以来、松本さんのライフワークとして40年以上にわたり上演されている。
マーサ・ネリーさんから「一番ふさわしい方にあげてほしいと夫から生前言われていた」という言葉とともにトロフィーを受け取った幸四郎さんは「夢のミュージカル『ラ・マンチャの男』を演じながら、私は今、夢の中にいるよう。ここに1200回目の公演を迎えることができましたのは、ここにいるすべてのみなさま方のおかげ。熱く御礼申し上げます」とあいさつし、「今までを振り返りますと、胸いっぱいです」と感激していた。
客席には、幸四郎さんの妻の藤間紀子さんや息子の市川染五郎さん、孫の松本金太郎さんの姿もあり、カーテンコール冒頭では、染五郎さんと金太郎さんにより花束贈呈が行われた。染五郎さんは「とても大切な区切り。これからも長く頑張ってください」、金太郎さんは「じいじ、おめでとう」とそれぞれお祝いした。
また、同日は、幸四郎さんの70歳の誕生日にもあたることから、バースデーケーキと共に、同ミュージカルの共演者でもある娘の松たか子さんと松本紀保さんの2人から両ほおにキスが送られた。家族や観客に祝福された幸四郎さんは「私の心の中にはみなさんの愛のこもった金メダルがかかっています。それを大事に生きて行きたい」と感謝した。(毎日新聞デジタル)