高倉健:「早く大切な人のところへ帰って」 ロケ地の刑務所で涙の舞台あいさつ

富山刑務所で行われた「あなたへ」の舞台あいさつに立った高倉健さん=東宝提供
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富山刑務所で行われた「あなたへ」の舞台あいさつに立った高倉健さん=東宝提供

 俳優の高倉健さんが26日、主演映画「あなたへ」(降旗康男監督)のロケ地となった富山刑務所(富山市)を訪問し、舞台あいさつを行った。刑務所で舞台あいさつを行うのは極めて異例。高倉さんは「大事なシーンを撮影させていただいた」と感謝を伝え、約350人の受刑者に「一日も早く、あなたにとって大切な人のところへ帰ってあげることを心から祈っています」と呼びかけた。感動で涙を流す受刑者たちもいる中、高倉さんも目を潤ませていた。

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 映画は、北陸にある刑務所の指導技官・倉島英二(高倉さん)が50歳を前に刑務所に慰問に来た歌手・洋子(田中裕子さん)と結婚。2人は平穏で幸せな日々を過ごしていたが、洋子は53歳の若さで亡くなってしまう。洋子が残した絵手紙には「故郷の海に散骨してほしい」と書かれていた。英二は妻の真意を知るため彼女の故郷である長崎県平戸市の薄香港を訪れることにする……というストーリー。高倉さんにとって降旗監督との19本目のタッグ作となった。

 刑務所での舞台あいさつ後は、妻・洋子役の田中さんと降旗監督も合流し、同じく映画のロケ地にも使われた複合施設「ファボーレ富山」内のシネコン「TOHOシネマズファボーレ富山」で舞台あいさつを行った。富山で舞台あいさつを行うのが初めてとなった高倉さんは「こんなに暑い中たくさんの方に来ていただいてうれしい。またこの地で撮影できることを祈っています」とあいさつし、集まった観客に刑務所での舞台あいさつを報告。「なぜだか涙が出ました。不思議な映画のスタートとなりました」としみじみと語っていた。(毎日新聞デジタル)

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