音楽プロデューサーとして活躍し、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の創業メンバーでもある丸山茂雄さんが31日、コンテンツ研究家の黒川文雄さん主催の勉強会に参加し、さまざまなエピソードを明かした。ゲームの未来について丸山さんは「『金が儲かるからやらない』というのは文化じゃない。文化として残したいのなら苦しくても作り続けてほしい」と語った。
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「黒川塾(弐) エンタテインメントの未来を考える会」と銘打たれた勉強会は、音楽やゲーム業界で活躍した経験を持つ黒川さんが企画したもので、音楽や映画、ゲームなどエンターテインメントの原点を見つめなおし、未来の姿を考えるのが目的。2回目となる今回は、丸山さんに加え「アークザラッド」シリーズの赤川良二さん、「パラッパラッパー」や「サイレン」を手掛けた藤澤孝史さんらのトークセッションが行われ、業界関係者ら約100人が参加した。
丸山さんは、90年代にソニーと任天堂との協力関係がなくなり、ソニーが単独でゲーム業界への参入を決める中で、メーカーに説明するたびに参入を思いとどまるように諭されたエピソードなどを明かした。また「ソフトメーカーに嫌われたら作品を作ってもらえない。だから相手を尊敬をして対応したのは事実」と成功の一端を説明した。
90年代に任天堂とソニーで協力してゲーム機を作るという企画が消滅し、その“怒りのパワー”が後のゲーム機「プレイステーション」の成功につながったのではとの質問に対して、丸山さんは「どうかなあ」とやんわり否定。「(ゲームビジネスを)『やりたい』という意識が強かったのかも。自分だけ(ソニー単独なら)なら、やりたいことができるし、久多良木(健・元SCE社長)さんからすれば『しめしめ』だったかも」と話して、会場を沸かせた。
エンタメの現状について、丸山さんは「良いもの、高級感よりも簡単で便利な方にいく。作る側が何を目指せばいいか、難しい時代になっている」と語りながら、ソーシャルゲームの人気を受けて家庭用ゲーム機向けのゲームが苦戦していることについて「大事なのはコンソールゲーム(家庭用ゲーム)を作り続けること。作り続ければ22世紀には文化になる」と語りかけていた。(毎日新聞デジタル)
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