注目映画紹介:「最強のふたり」 車いすの大富豪とスラム出身の青年の“大人な”掛け合い

「最強のふたり」の一場面 (C)2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP
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「最強のふたり」の一場面 (C)2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP

 本国フランスで11年の興行成績ナンバーワンの座に輝いたのをはじめ、欧州各国で大ヒットした「最強のふたり」(オリビエ・ナカシュ監督・エリック・トレダノ監督)が9月1日に公開される。事故で首から下がまひし、車いす生活を送る大富豪のフィリップと、スラム出身の黒人青年ドリスの友情を、実話を基に描いたストーリーだ。

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 とにかく、オマール・シーさんが演じるドリスの、豪快かつ邪気のない言動と、それをしらーっと静かに受け入れるフランソワ・クリュゼさんが演じるフィリップの“大人な”態度の掛け合いが楽しい。メガホンをとったのは、95年の短編デビュー作からずっと一緒に仕事をしてきたナカシュ監督とトレダノ監督の2人。03年に見たドキュメンタリー番組に感銘を受け、今作の映画化を思い立ったそうだが、モデルとなったフィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴさんからの「映画化するならコミカルに描いてほしい。この話は、ユーモアを込めてこそ真実に近づく」という言葉に従い、とかく湿っぽくなりがちなこの手の話を、笑いをふんだんに盛り込んだヒューマンドラマに仕立てた。

 なお、欧州各国で大ヒットした今作は、11年の東京国際映画祭で、最高賞である東京サクラグランプリに輝き、クリュゼさんとシーさんに主演男優賞をもたらした。さらに米国では「英国王のスピーチ」や「愛を読むひと」の製作に関わった映画会社「ワインスタイン・カンパニー」によるリメークが進行中だ。9月1日よりTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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