幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の「東京ゲームショウ2012」で20日、コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の鵜之澤伸会長(バンダイナムコゲームス副社長)が「日本ゲーム産業に今、必要なコト~ゲームビジネス新時代の展望」と題した基調講演を行った。
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家庭用ゲーム産業においても、ネットワークビジネスの売上比率が増加する中、鵜之澤会長は業界として正しい産業規模を呈示し、「日本のゲーム産業は元気である」というメッセージを発信していく必要性を訴えた。
「CESA白書」によると、日本の家庭用ゲーム市場は過去3年、ゆるやかな縮小を続けているが、大手6社の業績は堅調という。鵜之澤会長はこの矛盾を、ここ数年で急速に拡大したソーシャルゲーム市場をはじめ、ネットワークビジネスの売り上げが業績を下支えをしているためと分析した。
一例として任天堂が4月に発売したニンテンドー3DS用ゲーム「ファイアーエムブレム 覚醒」では、ゲームソフト発売後に配信された国内向け有料追加コンテンツ(DLC)のダウンロード数が120万回、売り上げが約3億8000万円にのぼったことを挙げた。また、ニンテンドー3DSの国内でのネット接続経験率は75%以上だという。
また、バンダイナムコゲームスが6月、PS3向けにサービスを開始した「ガンダムバトルオペレーション」では、無料の基本プログラムのダウンロード数が57万件、有料ダウンロードコンテンツの販売数が125万件で、8月末時点での累計売上額は約7億円を記録。セガがPC向けにサービスを開始した「ファンタシースターオンライン2」は、7月20日時点で累計ユーザーIDが70万件、同時接続数が約9万人にのぼっているという。
ただし、パッケージビジネスと異なり、ネットワークビジネスの売り上げは外部に開示されにくいため、国内市場の縮小イメージだけが独り歩きしていると懸念を示し、家庭用ゲーム産業の業態変化にあわせて、産業規模をあらわす新しい指標を業界として作成し、「日本のゲーム産業は元気である」という情報発信力を強化していくべきだと訴えた。(小野憲史/毎日新聞デジタル)
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