アニメ質問状:「キングダム」 古代中国の“色や音”の表現に苦心 「思想」のあり方も丁寧に

アニメ マンガ
(C)原泰久・集英社/NHK・総合ビジョン・ぴえろ

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、大ヒットマンガが原作の「キングダム」です。NHKの斉藤健治チーフプロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

 −−作品の概要と魅力は?

 アニメ「キングダム」は、秦の始皇帝による中華統一前の乱世の物語であり、これまでスポットの当たっていない春秋・戦国時代を描いた初のアニメ作品です。

 物語では「戦国の七雄」と呼ばれる七大国(斉・楚・秦・燕・韓・魏・趙)が覇を競い、激しい争いを繰り広げます。しかし、戦場にかりだされた男たちは貴賤など関係なく、己の実力ではい上がっていくことが可能な時代でもありました。アニメでは、“必ずはい上がってみせる”という精神を持った武人たちの姿を、壮大なスケールで描いています。

 −−アニメにするときに心がけたことは?

 人間の欲望がむき出しになった合戦(戦闘)シーンは、原作の大きな魅力の一つです。その迫力を損なうことなく、アニメという手法を駆使してダイナミックに表現することに一番気を配りました。

 また、“武人たちが己の存在のすべてを懸けて戦う姿”に、現代を生きる人々がしっかりと感情移入できるよう、脚本制作にも時間をかけています。

 −−作品を作るうえで大変だったことは?

 キングダムの舞台は、今からおよそ2300年前の中国。日本では弥生時代にあたります。そのため、資料はほとんど残っていません。よって、誰も見たことのない当時の風景や建築の色、そしてそこに息づく音など、原作では描かれない部分を、アニメでは表現しなければならないのです。作品の制作開始当初、監督の神谷さんをはじめ、各スタッフたちは頭を抱えていました……。

 −−今後のみどころは?

 戦を決する要素のひとつが戦略です。少しのほころびが命取りとなる状況下で、陰でそれを動かす戦略は、戦の要そのものでした。今後のアニメ「キングダム」では、武将や策士たちの戦略と駆け引きを息詰まる演出で表現するとともに、この時代を底辺から動かす「思想」のあり方も丁寧に描いていきます。

 −−今後の展開、ファンへ一言お願いします。

 このアニメは、戦乱の時代を自らの知力と戦力で生き抜いた英雄たちと、その陰でつつましく生き抜いた名もなき人々の物語です。夢を目指しはい上がっていく主人公・信の成長と今後の活躍、ぜひご期待ください!

 NHK チーフプロデューサー 斉藤健治

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