細田守監督:花のように「子を受け入れたい」 第1子誕生に喜び 「おおかみこども」トークショー

「おおかみこどもの雨と雪」のトークショーに登場した氷川竜介さん(左)と細田守監督
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「おおかみこどもの雨と雪」のトークショーに登場した氷川竜介さん(左)と細田守監督

 観客動員数が約340万人を超え、興行収入が41億円を突破した大ヒット作、劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」を手がけた細田守監督が13日、新宿バルト9(東京都新宿区)でトークショーを行った。細田監督は、9月に第1子となる男児が誕生したことを明かし、「順調に生まれたこともあって、感動というよりは、驚きを持って笑顔で受け入れた」と報告。親子や子育てをテーマとした同作の誕生秘話や公開前の心境などを語った。

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 細田監督は、自身の子供の誕生と作品の関わりについて「体験からきているわけではない。自分が親になったことはなかったけど、夫婦で子どもができたときのことを想像するんですね。生まれたらどうするか?と夢を語っていた」と説明。一方、主人公で“おおかみこども”の母・花については「花の行動は、こういう意気込みを持って、親として子どもを受け入れたいという表明のようなところがある」と語った。

 トークショーにはアニメ評論家の氷川竜介さんも登場。氷川さんは、同作について「王道の作り方ではない。オオカミと人間を対立軸に置いているのではない」とその特異性を指摘すると、細田監督は「着想してプロットまで素直に作っていた。ただ、主眼が母というのは変わっているし、エンターテインメントの定型からちょっと外れているかもしれません」とうなずいた。続けて、「最初に枠(上映館数)があって企画したわけではないので、300館を超える大きな規模になると分かって、3月くらいから『この映画、大丈夫かな?』と不安になった」と公開前の心境を明かした。

 また、氷川さんは同作のヒットを「作家性の強い作品が40億円を突破したのは、これからの作り手に励みになる」と喜び、細田監督は「アニメーションを使った映画表現がより面白くなればいいですね。映画を見て感じたことが、皆さんの人生について何か有用なことになったらいいなと思っています」とうれしそうに話していた。

 「おおかみこどもの雨と雪」は、細田監督が新たに設立した「スタジオ地図」が制作したオリジナルアニメ作品。主人公・花と“おおかみおとこ”との出会いから恋愛、結婚、出産、子育て、“おおかみこども”の雨と雪の成長と自立までの13年間を描いた。花の声を女優の宮崎あおいさんが、花と子どもたちを優しく見守る“おおかみおとこ”の声を俳優の大沢たかおさんが担当。43カ国・地域での配給が決定している。(毎日新聞デジタル)

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