宇宙刑事ギャバン：石垣佑磨、ギャバン役は「運命」　新旧“ダブル蒸着”に自信

　82～83年にテレビ朝日系で放送された特撮ヒーロー作品「宇宙刑事ギャバン」が29年ぶりに単独作品として復活する映画「宇宙刑事ギャバン　THE　MOVIE」（金田治監督）が20日、公開初日を迎えた。往年の主人公・一条寺烈役の大葉健二さんとともに、新たな主人公の十文字撃役で主演する石垣佑磨さんは、「ギャバンが30年で、僕もちょうど30歳。運命なんですよね」と笑顔で語り、「30年前のギャバンのようなことをしなければ、やっぱりギャバンのファンは納得してくれない」と熱い思いで臨んだ“ギャバン漬け”の日々を明かした。（毎日新聞デジタル）

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◇生活はすべてギャバン、5キロ超の減量も

　普段からキックボクシングやテコンドーなどに取り組んでいる石垣さんだが、今回の映画のために、トレーニング量を通常よりも増やし、食事も管理して体重も5キロ以上落とした。テレビ版の全47話を何度も見たといい、「台本見て、こっち（テレビ版）見て、台本見て、これ見て、ジム行って、キック練習して、家帰ってきてマラソンしてって生活を続けてました。すべて生活がギャバンでしたね」と明かす。1月に公開された映画「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE」も繰り返し見た。「格好いいんですよね。おれこうなっちゃうんだって、テンションが上がって行ったんですよ」と興奮気味に語る。

　これまでにもアクションや格闘系の映画やドラマに多数出演しているが、「今回のアクションは一番難しかった。分量も間違いなく一番多かった」と振り返る。一番きつかったことを聞くと、「転がりです。『魔空空間』に飛ぶと、飛んでそのまま地面に転がって着地するんですよ。そうすると本当に痛い」と苦笑しながらも、「でも、自分から率先して『やらせてくれ』とか言っちゃう。それがギャバンにとって必要であればやるべきだって思うから」とさらりと語ってみせる。

　アクションや立ち回りは新旧ギャバンで差別化されているといい、「生身でも烈さんと撃の違いが出る。一条寺烈は空手をベースにしたアクション。僕はテコンドーやキックボクシングで、その差を技で出そうとしています」と説明。「出し切ってますね。だいたい自分のレパートリーの蹴り技は9割ぐらい出しました。跳び蹴りとか、かかと落としとか、ミドルキック連打とか、やり尽くしたかなっていうくらい」とアクションに関する話は尽きることが無い。

◇大葉健二直伝の“ダブル蒸着”に自信

　「ギャバン」といえば、大葉さん演じる一条寺烈が変身する際の「蒸着（じょうちゃく）！」という決めぜりふとポーズが印象的だ。大葉さんから直接指導を受け、汗だくになりながら2人で毎日のように練習したという石垣さんは、「『蒸着』だけは、オリジナルのままやりたいと思って、大葉さんの前だけで練習したんです」と明かす。初めて大場さんとともに“ダブル蒸着”の本番に臨んだシーンでは、「現場のスタッフから拍手が起きたんですよ。『ばっちりだった』って。ファンの方も喜んでくれるんじゃないかと思いますね」と自信を見せる。

　さらに、今作には宇宙刑事シャリバン、シャイダーも登場する。「途中に2人が助けに来るシーンがあります。いやあ格好いいですよ。“ダブル蒸着”の後に、それがある。3体が並ぶんですよ。シャリバン、シャイダーの出番はそんなに多くはないんですけど、ちゃんと見せ場があって、当時の技も出しますので、これはファンは『やべー！』ってなると思いますよ」と、いちファンのように目を輝かせる。

◇「ギャバンダイナミック」を超える技も

　見どころは、「全部ですね。この映画は全部見どころですよ。どのシーンも！」と熱く語る。「もちろんアクションはその通りなんですけど、新旧ギャバンの物語もあり、シャリバン、シャイダーも登場してくる。（ギャバンの必殺技）『ギャバンダイナミック』を超えるすごい技が出てくるんですよ。今までギャバンが『ダイナミック！』ってやったのを超える、おれだけの技も出てくるし、そういう見どころが満載ですね」と明かし、「僕らキャストだけじゃなく、スタッフみんな、30年前の作品に敬意と愛情を持って一生懸命作った作品。30年前のテレビ版の魂を継いで、そして映画としての新しいギャバンが見られると思うので、ぜひ劇場で見てください」と熱く呼びかけていた。

　「宇宙刑事ギャバン」は82～85年に放送された「宇宙刑事」シリーズの第1弾で、宇宙犯罪組織・マクーの手から地球を守るために、銀河連邦警察より派遣された宇宙刑事・ギャバンの戦いを描いた作品。「ギャバン」は1月に公開された映画「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」に登場したが、単独作品として復活するのは29年ぶりとなる。映画「宇宙刑事ギャバン　THE　MOVIE」では、十文字撃役の石垣さんと一条寺烈役の大葉さんが主演を務め、新シャリバン（日向快）役の三浦力さん、新シャイダー（烏丸舟）役の岩永洋昭さんをはじめ、滝裕可里さん、永岡卓也さん、森田涼花さんらも出演している。映画は全国で公開中。