映画「カラスの親指」でプロの詐欺師を演じたお笑い芸人の村上ショージさんが30日、警視庁上野警察署の一日署長に就任し、上野駅までパレードし「詐欺撲滅」を訴えた。警察の制服に身を包んだ村上さんは「いつもとは違う感じ。市民のためにがんばろうという気持ち」とキリッとした表情で「だまされたと思ったのは競馬場で詐欺に引っかかりそうになったときと、女優さんにお会いしたとき。映画で共演した石原さとみさんにハートを奪われそうになりました」と語った。
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村上さんは「警察署に入ると見張られている感じがしてドキドキした」と緊張した面持ちだったが「詐欺師は巧妙に人の心の隙間(すきま)に入っていく。すきを与えないことも大事。だます側も成功するか失敗するかドキドキしている。だます方は命がけでやってくるからだまされる側も命がけで(自分を)守らないと」と詐欺師を演じた経験を交えながら力説した。上野駅構内で行われたイベントでは知能犯捜査のスペシャリストという現職刑事も出席し「だまされやすい人の特徴は村上署長のような“いい人”。詐欺師は必ず自分から動く。突然家を訪問するとか、電話をかけてくるとか。向こうから働きかけてきたらまず詐欺を疑った方がよい」と呼びかけていた。
「カラスの親指」は、直木賞作家・道尾秀介さんのミステリー小説「カラスの親指 by rule of CROW’s thumb」(講談社文庫刊)が原作で、道尾作品では初の映画化。元はサラリーマンだったが、ある事情で詐欺師となった武沢竹夫(阿部寛さん)は、暗い過去を持つ詐欺師の入川鉄巳(村上さん)とコンビを組んでいた。そこへ石原さんと能年玲奈さん演じる美人姉妹と姉の恋人(小柳友さん)が転がり込み、共同生活が始まる。そして5人は人生を懸けて一世一代の大計画に挑むことになり……というストーリー。11月23日公開。(毎日新聞デジタル)
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