直木賞受賞作家でテレビ番組の司会やコメンテーターとしても活躍した藤本義一さんが30日午後10時18分、兵庫県西宮市内の病院で死去した。79歳だった。藤本さんの訃報を受け、落語家の桂文枝さんが31日、「低い声で話す先生にもう一度会いたかったです」とコメントを発表した。
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藤本さんは大阪府立大在学中から放送作家として活躍し、卒業後は宝塚映画撮影所、大映で脚本を担当した。フリーになってからは映画やテレビ、舞台の脚本を手がけるかたわら、65年から日本テレビ系列で深夜に放送された番組「11PM」の司会者を務め、25年にわたる出演で知名度を高めた。一方、作家としても活躍し、69年には「ちりめんじゃこ」で初めて直木賞候補となり、74年に4度目の候補作「鬼の詩」で直木賞を受賞した。(毎日新聞デジタル)
▽文枝さんのコメント全文。(原文のまま)
悲しくて
悔しくて
寂しくて
今はただ、
ありがとうございました
やすからにお眠り下さいの言葉しか思いつきません。襲名前
先生からお言葉をいただいたのが最後でした。
「男は振り向くな
すべては今だ」
どれだけ勇気づけられたことか
こんにち襲名披露公演でまわりながら、文枝と言う名に迷いなく自信と誇りが芽生え始めたのも先生のお言葉のおかげです。
今年の社会人落語の審査でお会いできるのを楽しみにしておりましたが、あのころから体調を崩され心配いたしておりました。
本当に
なんでもよくご存知で
なんでも相談に
長年にわたりのっていただきました。
先生が書かれた
「蛍の宿」で
主役の織田作之助をやらせていただいたのが
私の忘れられない
勲章です。
フッフと笑いながら
低い声で話す先生にもう一度会いたかったです。
合掌。