高良健吾:法政大学園祭で役者指南

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 俳優の高良健吾さんが2日、主演映画「横道世之介」(13年2月23日公開)の舞台のモデルとなり撮影も行われた法政大学の学園祭のトークイベントに沖田修一監督とともに登場した。高良さんと沖田監督は集まった学生を前に撮影秘話や仕事観、人生観を披露。高良さんは役者志望者に向けて「みんな絶対違うから面白いと思う。あまりそんなに考え込まず、作り込まずに」と話し「飯を食う、風呂をためて気持ちいいと思うとか、空がきれいだとか、人間生活を普通なことを大事にした方がいい」とアドバイスした。

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 「横道世之介」は、08、09年に毎日新聞夕刊で連載された吉田修一さんの同名小説が原作。09年9月に単行本化され、10年に本屋大賞3位と第23回柴田錬三郎賞を受賞した。舞台は80年代後半、長崎の港町に生まれた主人公の横道世之介(高良さん)は18歳で大学進学のため上京した。嫌みのないずうずうしさと他人の頼みは断れないお人よしで、人がなぜか寄ってくるという性格の世之介の日常やガールフレンドの令嬢・与謝野祥子(吉高由里子さん)ら世之介を取り巻く人々との日々を描いている。ほかに池松壮亮さんや伊藤歩さん、綾野剛さんらが出演する。

 沖田監督は「長崎から上京する話。高良君も熊本で九州から上京しているという点で共通している。いつか高良君で主演をと考えていたからチャンスだと思った」と高良さんを抜てきした理由を明かした。高良さんは高校生スタッフとして働いていた地元のタウン情報誌の編集長が今の事務所を紹介してくれたという役者になるきっかけについても披露。「最初は間違った職業選んじゃったかなと思った」と話し、働く上で大切にしていることについては「自分が楽しむこと。あんまりネガティブなことを言わない」と語った。

 世之介役について高良さんは「自分が今までやってきたどんな役とも違って頼まれたら断れない感じ。物事に関しての距離感とか、すごく居心地が良かった」と話し「沖田組が楽しいのはセリフだけ覚えて現場に行って、そこで何かが始まればいいなと思っている。沖田組ではそれができるのが楽しい」と撮影の舞台裏を明かした。

 また、互いに初めて会った時の印象について、高良さんは「人前でカメラを向けられて言うのがすごく恥ずかしくて否定していた頃。この頃はそれがダメだと思っていていろいろ悩んでいた」と話し、沖田監督は「会えばかっこいいし等身大の20歳の男性だなと、一緒にやったら面白いだろうなと思った」と語った。

 また、高良さんは映画について「若い俳優さんがたくさん出ている。それぞれフレッシュな面持ちをしていてキラキラしている」とアピールした。(毎日新聞デジタル)

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