林家彦いち:映像付き落語を生放送 ニコ動で“お題”募集も WOWOW「落語ファイトクラブ」

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 落語家の林家彦いちさんが2日、東京都内で行われたWOWOWの無料生放送番組「RFC落語ファイトクラブ」(3日放送)の会見に出席した。落語の口演中に会場に映像を流したり、ニコニコ動画と連動して視聴者からの“お題”を募集したりする同番組について彦いちさんは「これまでの落語会にない試み。落語のセオリーにない反応があるのが面白いところ。自分自身にも新鮮ですね」と語った。

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 落語ファイトクラブは、WOWOWが「21世紀型の寄席を目ざし」て制作し、東京・六本木のライブハウス「nicofarre(ニコファーレ)」から生放送する。3月に第1弾が放送された。第2弾の今回は、彦いちさんと、春風亭百栄さん、入船亭扇辰さん、「レジェンドゲスト」として三遊亭円丈さんが登場。会場には360度に巨大なモニターが設置されており、落語家は1人1席、約20分間の口演をし、演目に合わせたオリジナル映像が上映される。番組後半には、ユーザーから寄せられた“お題”の言葉がモニターに表示され、その中から落語家が言葉を選んで即興で短い話を作って披露するコーナーもある。

 彦いちさんは、落語と映像の融合について「僕が想像しているものとガチッと合ったりして、意外な化学反応みたいなもの(が起こる)。そういうことは普段(の落語会で)はない。うれしさと同時に『おっ?』という気持ちになったり、落語のセオリーにない反応があるのが面白いところ。自分自身にも新鮮ですね」と語った。また扇辰さんが古典落語「鰍沢(かじかざわ)」を演じることを明かし、「山の中でのサスペンスもの。地味めな話なんですが、映像をからめるとどうなるんだろうと。落語を知っている方には最後のシーンをどうするのかというところも(見どころ)。僕も楽しみ」と期待を寄せていた。

 またニコニコ動画と連動した即興の小話について「とうていできるとは思えないんですけど試みてみようと」と前向きにコメント。10月に寄席で、客席から“お題”を募って即興で演じる「三題噺(ばなし)」を行ったばかりだが、「(寄席とは)違いますね。(寄席では)顔が見えるので、その人の背景が見えて、そこからたどって(話を作って)いくことが多い。せめて(文字の)フォントでも違ってくれれば分かるのかもしれないんですけど」と控えめに語りながらも、「ゼロからやる感じで面白いですね」と意欲を燃やしていた。

 会見には番組で司会を務めるマキタスポーツさんも登場。番組の魅力を「一つは落語が新しいメディアとともにやるという醍醐味(だいごみ)。もう一つは師匠たちがちょっと困っている様子(が見られる)。新しいものと格闘している人間味が出てくるところが面白い」と語った。

 番組は「生中継!異種格闘技落語『RFC落語ファイトクラブ2』」と題し、WOWOWライブで3日午前11時15分から。同局が「TOUCH!WOWOW2012 いいね♪3チャンネルの日」として、3日午前10時~午後10時の無料放送企画内で行われる。同企画では同局のプライム、ライブ、シネマの各チャンネルが、視聴者からの「いいね♪」の数を競うイベントも実施する。(毎日新聞デジタル)

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