ゲーム質問状:「龍が如く5」 シリーズの“完成形”に

「龍が如く5 夢、叶えし者」(PS3、セガ)
1 / 1
「龍が如く5 夢、叶えし者」(PS3、セガ)

 ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は、「龍が如く5」(PS3)です。セガの横山昌義プロデューサーに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−ゲームの内容について教えてください。

 「公式サイトを見てください!」という一言で済ませたいほどの、大ボリュームの内容となります(笑い)。

 主人公である伝説の元極道「桐生一馬」を中心に、「4人の男と1人の少女」の“夢”をテーマに描いた、ドラマ仕立てのゲームとなっています。

 舞台は全国5大都市。福岡、札幌、大阪、名古屋、そして東京の歓楽街がリアルに表現され、それぞれの街で生活する5人の主人公を実際に“動かし”て、ストーリーを進めていくタイプのゲームとなります。

 裏社会と芸能界、スポーツ界を取り巻く巨大な陰謀。その闇(やみ)に巻き込まれていく主人公たち。一度は夢を追い、そして夢に破れた男たちは、夢舞台の裏でうごめく見えない敵と戦うべく、それぞれが生活する場所で立ち上がります。その戦いは、独りで夢をかなえようと戦う少女「澤村遥」の今と繋がり、そして……。

 シリアスで骨太なメーンストーリーだけでなく、舞台となる「街」でも、「食べる・飲む」はもちろん、ギャンブルからキャバクラ遊びまで何でも楽しめるゲーム。それが「龍が如く5」となります。

 −−本作のセールスポイントは?

 そうですね……。これまた「一つ」に絞って答えるのは非常に難しいのですね(笑い)。シリーズ毎作、好評いただいてる「ストーリー」はもちろん自信がありますが、あえて一つポイントを絞るとすれば、五大都市を舞台に繰り広げられる主人公たちのもう一つの戦い「アナザードラマ」です。

 今作では、主人公たちがそれぞれの「職業」を持っており、例えば桐生一馬の場合で言うと、タクシードライバーとして生きています。そんな彼らの“日常”を描いたパートが「アナザードラマ」という形で描かれてます。当然、タクシー運転手ですから、「街で客を乗せてお金をいただく」という遊びも入ってますし、高速道路では、走り屋集団に絡まれて「レース」的なことをすることもあります。

 カンタンに言うと、「タクシー体験」と「レースゲーム」を遊ぶことができるというワケです。このほかにも、とある主人公は雪山で遭難して「マタギ」としての猟に挑むことになったり、女性主人公の遥の場合は、アイドルを目指して「ダンスレッスン」などのアイドル修業をするパートもあります。

 こうしたこれまでのシリーズになかった、職業に基づいた「新しいアクション・新しいゲーム」が「アナザードラマ」にはたくさん入ってます。ですから、これまで「怖い人がたくさん出てくるゲームはちょっと……」と思って敬遠されていた方には、コッチの切り口から興味を持っていただければと。

 −−企画のコンセプトは?

 シリーズとしては7作目であり、PS3というハードも熟成期にあることを考え、ここで一回、「龍が如く」というゲームの「完成形」とも言える作品を提供しようと考えました。

 ストレスのない操作性、インターフェースの研究。街を探索する楽しさと奥深さ。そしてビジュアル面での表現力……。ユーザーの方の手に触れる、目に見える部分を一度徹底的に再構築してゲーム全体を設計しています。

 その基礎的なシステム設計に一定のめどがついたこともあり、これまで挑戦したことのないような「大ボリューム」のゲーム内容に踏み込めたというのが正直なところです。

 「龍が如く」の場合、ユーザーさんの年齢層が広く、特に社会人の方の場合、一日のうちゲームに付き合える時間はそれほど長くないと思います。ですから、例えばその時間が「2時間」であるならば、その「2時間」をより濃くて、より多くのゲームが遊べるようにしたい。

 そういったシステム面でのサービスが、今回は実現できていると思います。いくら、楽しくて出来の良いシナリオが完成したとしても、途中でゲームに飽きてしまっては元も子もありませんので(笑い)。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 今回はこれまで「龍が如く」というゲームに触れてこなかった方でも、特に始めやすい、手に取りやすい作品に仕上がったと思っております。

 12月6日の発売から、一日2時間、映画やスペシャルドラマをご自宅で見るような感覚でプレイしていただくと、ちょうど年明けくらいにはエンディングにたどり着いていただけるのではないかと思ってます。

 クリア後も、麻雀からパチンコ、キャバクラ遊びにバーチャファイターまで(今作では弊社の伝説的ゲーム「バーチャファイター2」が完全実装されてます)、魅惑の「遊び」の数々を遊び続けられますので、どうか年末年始の一本にお手に取ってもらえればと思います!

 セガ 第一CS研究開発部 「龍が如く5 夢、叶えし者」プロデューサー・脚本/演出 横山昌義

ゲーム 最新記事