ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
87年の第1巻刊行以来、25年にわたって愛され続け、11年には50巻に到達、累計発行部数は3200万部以上を誇る児童図書「かいけつゾロリ」の初の長編劇場版アニメ「映画かいけつゾロリ だ・だ・だ・だいぼうけん!」が22日に公開された。テレビアニメで主人公ゾロリの声を担当していた山寺宏一さんはゾロリだけでなく、謎のトレジャーハンター「ゾロンド・ロン」の声も担当し、一人二役を演じている。また、「ゾロリ with イシシ、ノシシ」名義で劇場版の主題歌「つぎ いってみよう!」も歌っている。劇場版で大活躍の山寺さんに聞いた。(毎日新聞デジタル)
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山寺さんが声を担当している主人公のゾロリはいたずらの王様になること、かわいこちゃんを花嫁にすること、自分のお城を建てることを目標としながら、子分のイシシ・ノシシと日々冒険をしている。今回アニメに初登場したゾロンド・ロンは、ゾロリたちの行くところに現れては、お宝争奪戦を繰り広げたり、時には手を貸すなど、敵か味方か分からない謎のトレジャーハンターだ。
−−山寺さんは今回、主人公ゾロリとお宝を奪い合うゾロンド・ロンという2人を演じていますが、オファーを受けたときの気持ちは?
なぜでしょうねー?! まさか二役だと思ってなかったのでびっくりしました。きっと経費削減のためですね(笑い)。一体どういうふうに演じたらいいのか悩んで、まずゾロリの声を全部録音して、その後にゾロンド・ロンのアフレコをやることになりました。すごいカッコよく演じたつもりです! 何故僕が二役やっているのかは、映画を見たみんなならきっと分かりますので、ぜひ楽しみにしていてください!
−−主題歌「つぎいってみよう!」を初めて聴いたときのご感想を教えてください。
作曲の田中公平先生が歌っているデモテープを最初にいただいたんですけれども、まず曲調がすごく楽しくて大好きですね。田中先生に「これクレイジーキャッツですよね?」っていうと「違う!そのテイストだけどそれを現代風に作ってるんだよ!」なんておっしゃっていましたけど(笑い)。曲調が勇ましくなったり楽しくなったりしてエンターテイメント性の高い素晴らしい楽曲だなと思いました。
−−歌詞についてはいかがですか。
(原作者の)原ゆたか先生が書かれた歌詞にすごく感動しましたね。明るく楽しく歌っていますけど、子どもだけじゃなくみんなに伝えたいメッセージが込められています。なんでこうなのだろうとかどうしてああなるんだろうとか、小さなことでもくよくよ悩んでしまうことってあるじゃないですか。でもそんなの、あとから見たらたいしたことないだろ!って、この曲を聞いたら思えるというか。もちろん人の命にかかわることとか震災とか、「たいした事じゃない」に当てはまらない事もたくさんありますけど、きっと自分が持っている悩みのいくつかはたいしたことじゃない、乗り越えられるよ!という人間の深く強い部分を、この曲を通して、誰にでもわかるシンプルな言葉で伝えられるというのは最高だと思います。難しい言葉はいらないんですよね。
−−具体的にはどんな言葉ですか。
「誰かを、笑顔に変えたなら」という歌詞が出てくるんですけど、これこそ生きるテーマですよ! 実際にそれをやるのは簡単なことじゃないですけど、それを胸に持って生きていけばいいじゃないかと。この歌詞を見て、原先生はそういう思いを込めていつもゾロリを書いているんだなと感じました。そして今回のスタッフもきっと同じ思いで映画を作っているから、僕たちも同じ気持ちで演じればいいんだなと思いました。
伝えたいのは、つらいことも忘れちゃいけないこともいっぱいあるけど、立ち止まらずに「次、行ってみよう!」ということなんだと思います。子どもはもちろんサラリーマンの方などにも歌ってほしいと思いますよ! そして子どもたちが大人になってもずっと口ずさんで忘れないでいてほしい曲ですね。
−−今回、山寺さんは主題歌はもちろん劇中でも歌を披露していますが、劇中のキャラクターを演じながら歌唱する際に、意識していることなどはありますか。
劇中ではもちろんゾロリらしいふざけた曲も歌っていますよ。あいかわらず「オナラ、オナラ」言ってるし(笑い)。実は、ゾロリの曲ってそこまで(キャラクターについて)気を使ってないんですよ!(笑い) 他のアニメキャラクターで歌うときほどキャラクターを意識していないですね。ちょっと明るめにしたり微調整はしていますけど、そんなに無理はしていないです。ゾロリというキャラクター自体が自然な形で演じられるキャラクターなのでね。どれが普通の声か自分でもよく分かってないんですけど、普通じゃないキャラクターもいっぱいやっているので(笑い)。そんな中でもゾロリは普通の幅に入るキャラクターだと思います。ゾロリは大好きなので、これからも長くやっていきたいキャラクターですね。
−−山寺さんが思う、ゾロリの魅力や面白さを教えてください。
ゾロリはもちろん、ライバルであったり悪役であったり独特なキャラクターがたくさん出てきますが、誰一人として憎めないんですよね。ちょっと気持ち悪いキャラクターでも可愛げがあったりとか。そういった部分が魅力の一つだと思うんです。ゾロリは「まじめにふまじめ」ですから! どんなバカなことも一生懸命やるけど、決めるところは決めるカッコいい男です!
<ストーリー>
その昔、海賊がたくさんのおたからを隠したという伝説の山、ガパール山が冒険の舞台。謎のトレジャーハンター、ゾロンド・ロンより先にそのお宝を手に入れるため、山のふもとにあるガパパ村を訪れたゾロリたちだったが、その村ではなんと、子どもたちの間で伝染病“しましま病”が大流行中だった。その病気を治すには、ガパール山にある「パープルストーン」と「ぴっかりごけ」が必要なことを知ったゾロリは、お宝をゲットするため&子どもたちの病気を治してみんなのヒーローに、そして村で出会った美少女アリウスのハートもいただいちゃおうという大きな野望を抱き、村で出会った仲間とともにいざ、ガパール山へと出発する……という展開。
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