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桜 稲垣早希の補完計画:「魔法少女まどか☆マギカ」 なぜ避けて来たのだろう

アニメ コラム

 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のヒロイン・アスカの物まねで知られるお笑い芸人の桜 稲垣早希さん。「エヴァ」だけでなくさまざまなアニメやマンガ、ゲームが大好きという稲垣さんが、熱い思いを語ります。(毎月25日更新)

 ◇

 こんにちは、今回は「まどか☆マギカ」です。最近一番衝撃を受けた作品です。仕事で東京に行ってた時に、夜ホテルですることがなかったので、借りてたDVDを見てたんです。

 私は移動が多いのでDVDプレイヤーをよく持ち歩いています。見終わったときに、何でこんなすごいものを私は今まで避けて来たのだろう……、と悔しくなりました。

 そうなんです。まどか☆マギカは避けてたのです。避けてたという言い方よりも私の目に入ってなかったんです。

 なぜかというと、理由は単純です。私が好きな絵の感じじゃなかったからです。私が好きなのは、バトル系、ホラー系、グロ系だったりするので、あのピンクの髪のぶりっとした画風がどうも好きになれなくて、「あ~なんか最近流行ってて耳にするけど、萌え系が好きな人の間で人気なんでしょ~?」って感じでした。

 でもどんなものも、見ないで適当に初めの印象だけで何かを評価してはいけませんね! 私にとってまどか☆マギカは、今や自分が好きなアニメ10位以内に食い込むくらい好きな作品になっています。

 見たきっかけは、私はある雑誌でコスプレをするお仕事をさせてもらってるんですが、天津の向(清太朗)さんがおすすめのアニメの衣装を私に着せるというもので、そこでまどかの衣装を一度着たんです。

 その時私は全くこのアニメを知らなかったので、「うわ~何このブリブリのピンクの衣装……。は、恥ずかしいなあ」と思ってました。そこで向さんが「何言ってんねん! このアニメはすごいんやぞ! 一回見てみろ!」と言われました。

 でも普段「萌え~、萌え~」言ってる向さんとは好きな作品も違うことは前から知ってたので、「はい……、まあ機会があれば……」って感じだったんです。

 しかし、その現場にいた普段アニメを見なさそうな女性のライターさんが「私、この撮影のために試しに見たんだけど……、これは普通の萌えアニメとは全然違う」と言いました。この言葉が妙に気になって、このライターさんにDVDを借りました。

 借りてからも、あまり積極的に見ようと思えなかったので、しばらく家に置いてました。それより他のアニメやマンガやペットのお世話するのが大事だったので……。でもどれも見尽くして「ん~、これ見てみようかな~」とふとDVDを再生したところからなんとラストの12話までノンストップで見ることになるのです。

 まだ見てない人は私がなぜこんな状態になったか不思議に思うかもしれませんが、これは“まどか☆マギカマジック”です。知らない間にこのマジックにかかって、そこから身動きできなくなるのです。

 簡単にこの作品の印象を述べると「本当は怖い魔法少女」という感じです。「本当は怖いグリム童話」のあの感じです。今まで当たり前に描いていたシンデレラ像と違うから怖い……みたいな感じ。

 私がもっと身近に感じたこの恐怖のイメージは、「ドラえもん」とか「クレヨンしんちゃん」の劇場版です。あれは毎回不思議な恐怖感に襲われます。日常見てる安心な作品が劇場版になると、少し絵が変わってたり、主題歌が違ってたり、敵が出て来たり。あののび太が命の危険にさらされている。私は、普段グロくて血がいっぱい出るものもよく見ますが、それよりも普段平和で安心な作品の中でいきなり人が傷つくシーンがある方がショックを受けます。これは私だけかもしれないので、あまり分かってもらえないかもしれませんが……。

 でもまさにそんな感じです。安心なキャラとそれを取り囲む世界のギャップに脳が付いていけなくて恐怖を感じる。それがこのまぎか☆マドカに受けた印象です。

 どういうことかというと、この絵の感じからはあり得ないほどの恐怖が詰まっているということです。計算された深い物語。独特の気持ち悪い敵。主人公に感じる違和感。いつも困った顔をして泣いていて、奇麗ごとばかり言うまどかのことをどうも好きになれない。でもそれには最後まで見てようやく分かるある理由があったのです。

 今回は見てない人にネタばれになることを避けたいんです。絶対見てあの「ゾゾゾ~」を直で感じてほしいんです。

 大丈夫です! 1話目のしょっぱなから「あれ? なんだかこのアニメおかしい……」と気づきます。「この戦闘シーンはおしゃれ? アート? 個性?」と思いますが、それにも意味がある。普通の少女だったのに、ある日魔法が使えるようになって敵を倒していくという簡単ストーリーでは決してないことが分かります。そして、「味方なの? 敵なの? 一体誰目線で、どう見ていいの?」と、ずっとふわふわ消化不良状態に陥り、「気づけば12話まで観てた」となります。1話目は「???」でも大丈夫です。続きをどうぞ! 2話目からは確実に止まりません!!

 今回は中身を書くよりも、私が受けた印象をべらべらと書きました。そして最近上映された劇場版ですが、私は旅やらなんやらでばたばたしてて見に行けませんでした! これが悔しい! 劇場であの奇妙な感じをさらに味わいたかったのに!

 みなさんも奇妙な肝試し感覚で見てみてはいかがでしょうか?

 ◇プロフィル

 桜 稲垣早希(さくら いながき・さき)=1983年、神戸市生まれ。07年2月に、お笑いコンビ「桜」を結成。07年の「M−1グランプリ」で3回戦に進出するなど活躍していたが、09年末に相方がコンビを卒業し、ピン芸人として活動。アニメ「エヴァンゲリオン」のヒロイン、アスカの物まねで知られ、バラエティー番組「ロケみつ」(毎日放送)でブレーク。「R−1ぐらんぷり」で2年連続で準決勝に進出したほか、「吉本べっぴんランキング」でも3年連続で2位を獲得している。最近ではバラエティー番組などでナレーションもこなすなど、芸の幅を広げている。

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