MD松尾のヒット解析:TSUTAYA年間1位はポケモンブラック2 2012年ランキング

TSUTAYA年間ランキング1位に輝いた「ポケットモンスターブラック2」
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TSUTAYA年間ランキング1位に輝いた「ポケットモンスターブラック2」

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている松尾さんに、12年の年間ランキング(12年1月1日~12月2日)をもとに、今年のゲーム市場を振り返ってもらった。

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 12年のトップは「ポケットモンスターブラック2」(DS、ポケモン)でした。シリーズ初の“続編”タイトルとなりましたが、期待に応えてくれたといえるでしょう。2位は「とびだせ どうぶつの森」(3DS、任天堂)。正直ここまで高い売り上げをキープできるとは思っていませんでした。まだまだ店頭では売れていますし、今後の伸びにも期待したいところです。

 12年を振り返ってみると、ハードは好調だった一方で、ソフトは前年をちょっぴり割り込んでいます。上位20タイトルでみると今年の方が圧倒的に好調なのですが、開発費の高騰からか純粋にタイトル数が減少しており、下支えが乏しかった印象です。

 全体的に見てみるとやはり3DSの伸長が印象に残った年だったといえるでしょう。「モンスターハンター3G」(カプコン)、「マリオカート7」(任天堂)、「スーパーマリオ 3Dランド」(同)といった前年末に出たビッグタイトルが1月以降も売れたほか、4月の「ファイアーエムブレム 覚醒」(任天堂)、5月の「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D」(スクウェア・エニックス)と、ゲーマー向けのタイトルも充実してユーザーを増やしました。DSタイトルですが、「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」(ポケモン)も貢献したといえるでしょう。そして7月には「New スーパーマリオブラザーズ2」(任天堂)とともに新型機「3DS LL」も発売され、大いににぎわいました。現在も「とびだせ どうぶつの森」(任天堂)が大ブレーク中で、まだまだ勢いは止まりそうにありません。

 PS3もコンスタントに注目タイトルが発売されました。特に3月の「ワンピース 海賊無双」(バンダイナムコゲームス)は、多くの新規ユーザーを呼び込んだようで、本体の販売にも貢献してくれました。ほかにも新型機とともに発売された10月の「バイオハザード6」(カプコン)、11月の「テイルズ オブ エクシリア 2」(バンダイナムコゲームス)も良かった。また、5月に発売された「ドラゴンズドグマ」(カプコン)は、新規タイトルにもかかわらず素晴らしいヒットを記録しました。ただし決して予想外だったわけではなく、「モンスターハンター」などアクションゲームに定評のある「カプコンの有力タイトル」という部分がお客さんにうまく伝わったからで、堅実な展開が実を結んだということでしょう。

 13年は、「ドラゴンクエスト7」(スクウェア・エニックス)、「モンスターハンター4」(カプコン)などの有力作が控えており、その他のタイトルも充実するため、ソフト市場は盛り返してくれそう。一方ハード面は、まだ本格的に次世代機の話が出ているわけではないので、あくまでも「現状では」という条件は付きますが、やや厳しいとみています。

 ◇ゲームソフトTSUTAYA年間ランキング(1月1日~12月2日)

1位 ポケットモンスターブラック2(DS)

2位 とびだせ どうぶつの森(3DS)

3位 バイオハザード6(PS3)

4位 ポケットモンスターホワイト2(DS)

5位 ワンピース 海賊無双(PS3)

6位 ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D(3DS)

7位 New スーパーマリオブラザーズ2(3DS)

8位 ドラゴンクエスト10(Wii)

9位 ドラゴンズドグマ(PS3)

10位 ワールドサッカー ウイニングイレブン2013(PS3)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約500店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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