ももクロ:ライブの動員力10倍増……大躍進の12年振り返る

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 女性アイドルグループといえば「AKB48」の活躍が連日ニュースをにぎわせているが、今年は「ももいろクローバーZ」(ももクロ)がNHK紅白歌合戦への初出場を決めるなど劣らず華々しい活躍を見せた。テレビの露出が激増したほか、西武ドーム(埼玉県所沢市)や横浜アリーナ(横浜市港北区)、日本武道館(東京都千代田区)など“大バコ”での単独公演を成功させ、紅白出場に加え、初めて単独でCMに出演するなど“初めてづくし”の1年となった。まさに大躍進を遂げた12年のももクロの活躍を振り返った。

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 ◇初めてづくしの1年 お茶の間にも浸透?

 08年に結成されたももクロは、百田夏菜子さん、高城れにさん、玉井詩織さん、佐々木彩夏さん、有安杏果さん、早見あかりさんの6人組グループとして10年5月にメジャーデビューし、11年4月、早見さんが脱退したのを機に「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」にグループ名を変更。“いま、会えるアイドル、週末ヒロイン”をキャッチフレーズに活動している。

 ももクロにとって12年は紅白出場を含め“初めてづくし”の1年となった。3月には桃屋の「きざみにんにく」「きざみしょうが」で初めて単独でCMキャラクターに起用されたのを皮切りに、11月までに5社のCMに出演(ニホンモニター調べ)。9枚目のシングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」はオリコン週間シングルランキングで自己最高となる2位を獲得し、初のドラマの主題歌に起用された。

 さらに、テレビ番組「青山ワンセグ開発」(NHK・Eテレ)のMCに抜てきされ、百田さんがバラエティー番組「メレンゲの気持ち」(日本テレビ系)のサブ司会を務めるなどテレビでの露出が増え、メンバーが元気に動き回ったり、体当たりでパフォーマンスに臨む姿は“お茶の間”でもおなじみになった。テレビの露出が増えたことによって、明るく抜群の跳躍力を誇る百田さん、食欲旺盛な玉井さん、“不思議ちゃん”な高城さん……といったメンバーのキャラクターも浸透しつつある。ほかにも「花とゆめ」(白泉社)で活動の軌跡がマンガ化されるなど音楽やテレビの枠を超えた活動も目立った。

 ◇ライブ動員は10倍 音楽好きの評価も

 ライブの状況を見ると、10~11年ごろは1000人規模の会場が中心だったが、8月に開催された西武ドーム公演では約3万7000人を動員。ほかにも昨年から恒例となった女性ファン限定ライブを今年は10月に日本武道館で開催し、昨年の約10倍となる約1万人を集めるなどライブ動員数は今年、うなぎ登りとなった。

 今年、発表したシングルは3枚。7枚目のシングル「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」はももクロの楽曲を数多く手がけてきた「ヒャダイン」こと前山田健一さんによるものだが、8枚目のシングル「Z女戦争」はロックバンド「相対性理論」のやくしまるえつこさん(ティカ・α名義)、9枚目のシングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」はロックギタリストの布袋寅泰さんを起用。邦楽ロックファンなど“音楽好き”にアプローチし、それぞれチャート上位に食い込むヒットを記録した。

 ◇女性ファン急増で躍進

 一般的に女性アイドルグループは男性ファンがメーンターゲットだが、ももクロは女性ファン限定ライブが盛況だったことから分かるように、女性からの支持も集めている。ライブ会場でファン歴1年という女子高生(16)が「ももクロはライブが楽しいんです。元気で、一生懸命なところが好き」と魅力を語っていたように、アクロバティックなパフォーマンスに魅了される女性も増えているようだ。

 5日に放送されたフジテレビの音楽番組「FNS歌謡祭」では、“紅白歌合戦”と描かれた衣装で登場するなど、大みそかに向けて気合十分なももクロ。今年最後のパフォーマンスが注目される。さらに、13年4月13、14日には再び西武ドームのステージに立つことが決定しており、今後の活動からも目が離せない。(毎日新聞デジタル)

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