話題の小説の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、谷瑞恵さんの「思い出のとき修理します」です。集英社文庫編集部の信田奈津さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
仕事や恋に疲れて都会を離れたヒロインの明里。引っ越し先で出会った時計屋さんをはじめとした人々との交流や、不思議な事件を通して、自分自身の思い出を修復してゆく癒やしのストーリーです。優しくて誠実、さらに料理上手な時計屋さんに、女性ならみんな胸キュンのはず!? 明里と時計屋さんとの、じれったい関係を楽しんでください。あたたかくて懐かしい、古い商店街の雰囲気もポイントです。
−−作品が生まれたきっかけは?
谷さんから一般向けにも書いてみたい……とお話をいただいたのが最初です。ご相談を重ねる中で、「思い出」をテーマにした連作はどうか、とご提案いただき、このお話が生まれました。
−−作者・谷さんはどんな方でしょうか?
とても穏やかで、笑顔がキュートなすてきな方です。代表作のコバルト文庫「伯爵と妖精」シリーズでも魅力的な男性キャラクターがたくさん登場しますが、今回の作品の時計屋さんや太一くんも、それに負けないすてきな男子たちだと思います。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
やっぱり、誰よりも先に作品を読むことができるのが喜びです。また、発売後すぐに大きな反響をいただけて本当にうれしく、テンションが上がります(笑い)。
大変な点は、作品のよさをどう伝えるかということ。派手な事件があるような物語ではないので、このやさしい世界観を届けるには、どうすればいいのか悩みました。装丁はもちろん、中身のデザインも凝っているので、よければ注目してみてください。
−−今後の展開は。
来年秋に2巻の発売を予定しています。この先、2人はどうなっていくのか……ご期待ください。
−−最後に読者へ一言お願いします。
この冬にぴったりの、心がほっこりする作品です。おかげさまで20万部を突破し、さらに多くの読者の方に届けばいいなと思っています。この本が、読んでくださった方の「思い出」になれば幸いです。
集英社 集英社文庫編集部 信田奈津
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