かつてインターネット上の「切込隊長」の名で知られ、ゲームの企画・開発にかかわる実業家、投資家の山本一郎さんが11日、コンテンツ研究家・黒川文雄さん主催の勉強会「黒川塾」に参加した。普及が進むゲームの統合開発ツール「Unity(ユニティ)」について、山本さんは、優れたツールであるとしながらも、「8割、9割の人は面白いゲームが作れない。ツールがあることで(自分は面白いゲームを作れると)錯覚する人がいる」と指摘していた。
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山本さんは、インターネット掲示板「2ちゃんねる」の創設メンバーの一人として知られる。現在は、ゲームの企画・開発にかかわり、行き詰まったプロジェクトを再生させている。またストレートな発言をすることでも知られ、独特の視点や業界に精通していることから、さまざまな媒体に記事を執筆をしている。
勉強会「黒川塾」は、音楽やゲーム業界で活躍した経験を持つ黒川さんが12年から企画・開催しており、今回で5回目。黒川さんと山本さん以外に、「ユニティ」を製作するユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの大前広樹さん、アプリサービス「LINE」にかかわるNHNジャパンの馬場一明さん、「巨人のドシン」などを製作したゲームクリエーターの飯田和敏さんがゲストとして登場し、約100人が5人のトークに聴き入った。
大前さんから「ユニティ」の現状などの説明があり、同ツールを用いて米国の高校生2人がゲームを開発してヒットをさせて会社まで作った成功事例を紹介。また馬場さんや飯田さんが開発中のゲームを披露した。山本さんは、「ユニティ」が優れたツールであるため、プロジェクトの立案者が逆算して納期を甘く見積もってしまい、スケジュールが崩れることがあると説明。「ゲーム業界は、(製品のプロモーションに多額の予算を当てる)金のあるグループ、才能のあるグループしか生き残らない」という問題が起こることを指摘した。次々と鋭い指摘を並べる一方で、最後に「(私は)360度にケンカを売っていますね」と発言して、会場を沸かせていた。(毎日新聞デジタル)
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