髑髏城の七人:小栗・森山・早乙女・勝地が振り返る ゲキ×シネには「熱意や若さが切り取られてる」

映画

 11年に上演した舞台を映像化した「ゲキ×シネ 髑髏城(どくろじょう)の七人」が12日、公開された。小栗旬さん、森山未來さん、早乙女太一さん、勝地涼さんといった今をときめく人気若手俳優が総出演した「髑髏城の七人」を、20台近いカメラを用いて、出演者の細かい表情や汗などにもクローズアップして再現。舞台とはまた違った楽しみ方ができるエンターテインメント作品に仕上がっている。再び集まった豪華キャスト4人に、舞台当時の思い出や、映像化された作品を見た感想、見どころを聞いた。(毎日新聞デジタル)

◇舞台の現場は「すごく刺激的だった」

 物語の舞台は戦国時代。織田信長亡き後、天下統一をかけて関東を手中にしようと図る豊臣秀吉を阻む集団・関東髑髏党は、手段を選ばない党首の天魔王(森山さん)を中心に勢力を拡大していた。ある日、髑髏党に襲われている村を助けようとした兵庫(ひょうご・勝地さん)率いる関八州荒武者隊は逆に窮地に追い込まれるが、捨之介(すてのすけ・小栗さん)と名乗る若者が現れ、ピンチを救われる。兵庫と捨之介が、うわさに名高い極楽太夫(ごくらくたゆう・小池栄子さん)がいるという関東一の色里「無界の里」を訪れると、そこで捨之介は、かつての仲間・無界屋蘭兵衛(むかいやらんべえ・早乙女さん)と再会する……というストーリー。

 「髑髏城の七人」は、10万人分のチケットが即完売になってしまうほどの人気劇団「劇団☆新感線」の時代活劇で、90年の初演以来、7年ごとに上演されている作品。今回、映像化された舞台は、4度目の上演となる11年版だ。本作で、同劇団の舞台に初出演を果たした小栗さんは「メンバーも含めて、すごく刺激的な環境だった」と振り返る。一方、森山さん、勝地さんとともに同劇団の出演経験者である早乙女さんも、同様に「共演者も含めて、自分の引き出しでは追いつかないことがいっぱいあった。そこで、いろんなことを発見したり、考えたりすることができた」という。

 また、同劇団の魅力について、森山さんは「演劇っていう枠からはみ出ちゃってる感じはありますよね。新しいタイプの大衆演劇というか。お客さんが見たいものは絶対にはずさないし、満足させるためのことしかしないっていう、サービス精神にあふれている」と評し、勝地さんは「初めて見たとき、男心をくすぐられました。芝居もそうですが、殺陣だったり音楽だったりが、カッコいいなって。いつか出られたらいいなと思っていた舞台に立てて、本当にうれしかったです」と興奮気味に語る。

 ◇ド派手な殺陣シーンの裏側は…

 「髑髏城の七人」は、戦国の乱世で迷い傷つきながらも信じるもののために戦い続ける人々の姿が、華麗かつ躍動感あふれるアクションとともにテンポよく描かれる。森山さんは「せりふをじっくり聞かせることよりも、展開のスピードとか、コミュニケーションの速さなんかを体感してもらえたら、と思って演じました」と舞台での演技を語り、「これだけ若いメンツ(メンバー)で勢いよくやっているから、多少、粗があってもエネルギーで押し切ってますね。みんなバラバラなキャラクターだけれども、その熱意や若さが映像にも切り取られていると思います」と見どころを話す。

 そして、今作の“華”である激しい殺陣シーンについては、「本当に大変だった」と一同、声をそろえる。「やっぱり太一は刀さばきが上手ですし、未來はすごく動けるので、そこは悔しい思いをいっぱいしましたね。チキショー、できない自分がムカツクみたいな」と小栗さんが苦笑すると、無敵の天魔王役の森山さんは「太一よりも強くないといけないんで大変でした。それから、太一は刀で感情や言語をこちらに投げてくるので、『刀でちゃんと会話しないといけない』っていうのを意識したのは初めてだった。いい勉強になりました」と明かす。

 そのような殺陣シーンが多くを占めるハードな舞台を約2カ月半に渡って68公演こなした彼らは、体力的にも「きつかった」という。公演の後半では、舞台後、出演者は体へのアイシングが欠かせなかったそうで、幼いころから大衆演劇の舞台で殺陣を演じてきた早乙女さんでさえ、「剣に役柄の感情をどれだけ乗せて芝居できるかっていうのをすごく意識しながらやってるんですけど、でも公演を続けていくうちに、きつい自分の気持ちが重なってしまって」と告白するほど。勝地さんなどは、ありとあらゆる精力剤に手を出していたといい「スッポンや赤マムシの粉、栄養ドリンクや錠剤……。いろんなものを摂取していたせいか、その汗を吸いこんで右腕につけていた手甲がすごく臭くなったんですよ」という笑い話も飛び出した。

 ◇映像化された舞台は「新鮮」

 必死に駆け抜けた舞台公演から1年以上がたち、映像化された今作を、小栗さんは「おもしろかったです。とにかく自分のつたない立ち回りが、編集してくれることでちょっとうまく見えるっていうのが、よかったなあと思いました」と笑いを交えて話し、勝地さんは「新鮮でしたね。自分はこんな感じなんだなって。それから、他の人のアップの表情とかも見られて。普段は見れないじゃないですか」と感想を語る。

 さらに、隠れた見どころとして、森山さんは「冒頭、村人が髑髏党に襲われるシーンがあるんですが、村人の中に太一がいるのを意識して見てほしいですね。太一は絶対に気づかれたくないと思うんですけど」と暴露。小栗さんによると「ひげをつけて、眉毛がつながっている」という早乙女さんのイメージからはかけ離れた風貌だといい、本人も「舞台が始まる前に気合入れがあるんですが、みんなカッコいい格好をしてるのに、俺だけ半ズボンでひげがボーボーで、ハゲ散らかしてる。やっぱり一回も気合が入らなかったですね」と苦笑しながら明かしている。

 同世代の男性4人が集まった今回の取材では、終始、笑いが絶えなかった。集合ショットの撮影中も、何やら近況で盛り上がっており、突然、笑い出す場面も。その姿から、今作における舞台裏の仲むつまじい姿や本番での息の合った芝居の様子が伝わってきた。最後に、今後の展望を聞くと、小栗さんは「こういうふうに全員で集まることは難しいと思うんですけど、機会があれば、みんなとまた一緒に舞台で共演したいな」と期待を込めて語っていた。「ゲキ×シネ 髑髏城の七人」は12日から全国で公開中。

 <小栗旬さんプロフィル>

 82年12月26日生まれ、東京都出身。98年、ドラマ「GTO」で初レギュラ−出演を果たし、その後、ドラマ「花より男子」(05年)、映画「クローズZERO」(07年)、舞台「カリギュラ」(07年)など幅広く活躍。10年には映画「シュアリー・サムデイ」で初監督に挑んだ。NHK大河ドラマ「八重の桜」に吉田松陰役で出演中のほか、5月から上演される舞台「あかいくらやみ~天狗党幻譚~」で主演を務める。

 <森山未來さんプロフィル>

 84年8月20日生まれ、兵庫県出身。99年、ミュージカル「BOYS TIME」でデビュー。04年の映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で注目され、以降、ドラマ「モテキ」(10年)やミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(12年)、ダンス作品「TeZuKA」(12年)などに出演。現在、主演ミュージカル「100万回生きたねこ」が上演中。劇団☆新感線の舞台は「メタルマクベス」(06年)「五右衛門ロック」(08年)に次いで3作目。

 <早乙女太一さんプロフィル>

 91年9月24日生まれ、福岡県出身。幼少時代より大衆演劇の舞台に立ち、現在、「劇団 朱雀」の2代目として日本各地を巡業している。03年に映画「座頭市」に出演して以降は、映画「TAKESHIS’」(05年)、NHK大河ドラマ「風林火山」(07年)など映像作品にも出演。13年は、4月に主演公演「風のように駆け−花のように舞う−。」が控えている。劇団☆新感線の舞台は09年の「蛮幽鬼」に続き、2度目となる。

 <勝地涼さんプロフィル>

 86年8月20日生まれ、東京都出身。00年、ドラマ「永遠の仔」でデビュー。その後、09年に「シブヤから遠く離れて」で舞台に初出演し、09年の舞台「ムサシ」では海外公演にも参加。13年は、NHK大河ドラマ「八重の桜」に山川健次郎役で出演するほか、映画「遺体~明日への十日間~」が2月に公開される。劇団☆新感線の舞台は「犬顔家の一族の陰謀」(07年)、「蜉蝣峠」(09年)に次いで3作目。

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