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11月3日(日)放送分
15日に肺炎のため亡くなった大島渚監督の葬儀が22日、築地本願寺(東京都中央区)で営まれ、雨の中、映画関係者とファンら一般献花者約700人が参列した。弔辞を述べたジャーナリストの田原総一朗さんは、「昭和が生んだ最大の芸術家。それも、闘う芸術家でした。強烈な爆弾のような作品を作り続けた」と振り返り、「怖いけど、心強い兄貴だった」と故人をしのんだ。
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大島監督の作品をすべて見てきたという田原さんは「若い時代は、見る者を立ちふるわせる作品を打ち出しても、だんだん見る者を安心させてしまう作品になる。大島さんは逆に、年をとるとともに衝撃的な作品を出し続けました。怒りのかたまりのような人物でした」と大島さんを表現し、「本当に残念」と沈痛な表情を浮かべた。
映画「愛のコリーダ」(76年)で助監督を担当し、葬儀委員長を務めた崔洋一監督は「日本の映画界、世界の映画界で大きな希望と光を与え続けた。闘う映画監督で、心優しく、時に厳しく、人間の深淵を表す来るべき世界の未来を予期する、偉大な先進表現家でもありました」と大島監督の製作に向かう姿勢をたたえた。
また、崔監督は16日に大島監督の妻で女優の小山明子さんが主演する舞台「女のほむら」を観劇したといい、「本当に素直な女優さんが、20年のブランクを越えて、素晴らしい舞台を見せていただきました。故人と小山さんの夫婦ぶりは、天国から愛する人へ試練と幸せの二つを同時に送ってくれたんだな」と思いをはせた。
葬儀では、田原さんをはじめ、音楽家の坂本龍一さん、松竹の大谷信義会長、作家の澤地久枝さん、篠田正浩監督、日本映画大学の佐藤忠男会長が弔辞を述べた。映画「御法度」(99年)に出演した俳優の松田龍平さんや、映画監督の山本晋也さん、エッセイストでタレントの阿川佐和子さんらゆかりのある人たちが続々と駆けつけ、大島監督に最後の別れを告げた。
大島監督は京都市生まれ。京都大卒業後の54年、松竹大船撮影所に入所し、59年「愛と希望の街」で監督デビュー。83年に「戦場のメリークリスマス」で毎日映画コンクール日本映画大賞などを受賞。96年、新選組を題材にした「御法度」製作発表直後、出血性脳梗塞(こうそく)で倒れ入院し、後遺症は残ったが、99年に映画を完成させ、カンヌ国際映画祭に出品した。00年に紫綬褒章。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍した。(毎日新聞デジタル)
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